2014年3月号掲載
グロースハッカー 会社もサービスも劇的に成長させるものの売り方、つくり方
Original Title :Growth Hacker Marketing
著者紹介
概要
ツイッターやホットメール、グルーポン等、急成長を遂げた企業には「グロースハッカー」と呼ばれる人々がいる。彼らは、派手な広告を打つ従来のマーケティングとは全く異なる方法で、サービス、会社を劇的に成長させる。しかも最小限の資金で。わずか数年で、数千万、数億のユーザーを獲得する、この“新世代”のマーケターの考え方、具体的な手法を紹介する。
要約
「グロースハック」とは?
ドロップボックス、ツイッター、フェイスブック、エヴァーレイン…。これらの新興企業は、最小限の投資で成長を遂げた。
これらの企業に関して最も驚くのは、どの企業にも、従来タイプのマーケターがいないことだ。
「グロースハック」が、いわゆるマーケティングを無意味にしたのである。
ホットメールで生まれた新しい方法
グロースハックは、従来のマーケティングよりも流動的な作業であり、ユーザーとインタラクティブに進めるものだ。それは、新しいタイプのマーケターの新しいニーズを受けて生まれた。
1995年にさかのぼろう。それは、ホットメールが、最初の無料ウェブメールサービスとして公開される直前のことだ。
ある日、ホットメールの共同創業者であるサビア・バティアとジャック・スミスが、ベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパーと会った。
ドレイパーは2人に、ウェブベースの電子メールという彼らのサービスは素晴らしいが、一般向けにどう紹介するつもりなのかと問い掛けた。
「広告を打ちます」。バティアはまず、従来のマーケティングのアプローチを口にした。
だが、ドレイパーは、無料サービスのためにそんなに高くつくアプローチは採用できないと拒否。そして、偶然、グロースハックを思いつく。
「ジャック、メール画面の最下行にメッセージを表示させることはできるかい?」
「うーん、それはやりたくありません!」