2015年1月号掲載
カスタマイズ 【特注】をビジネスにする新戦略
Original Title :CUSTOM NATION:Why Customization Is the Future of Business and How to Profit From It
- 著者
- 出版社
- 発行日2014年11月7日
- 定価1,980円
- ページ数301ページ
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著者紹介
概要
これからは大量生産でなく「特注量産」の時代だ! 食品からファッションまで、米国では今、個々のニーズに応じて商品を「カスタマイズ」し量産する企業が増えている。カスタマイゼーションは、もはや非効率なビジネスモデルに非ず。自らも、素材や味等を自分好みに作れる「オーダーメイドのシリアルバー」で成功した著者が、21世紀のものづくり革命を説く。
要約
21世紀のカスタム革命
私は「ユーバー(YouBar)」の経営者、アンソニー・フリン。「完全カスタムメイド」のシリアルバーを売っている。すなわち、材料も味付けも栄養も、すべて顧客1人1人のニーズに合うシリアルバーを作り、市場に出回る高品質のシリアルバーとほぼ同じ価格で販売している。
私のビジネスは、シリアルバー業界に革命をもたらした。しかしこれは、実は製造業全体に今起きている大変動のほんの一例にすぎない。
様々な業態で起こる「カスタム革命」
周囲を見回せば、至る所で「カスタム革命」の火がついていることがわかる。ナイキのカスタマイズ・シューズ、リーバイスのカスタマイズ・ジーンズ、マテルのカスタム・バービー人形…。
カスタム革命は、モノ以外にも広まっている。映画やテレビ番組をオンデマンド配信するネットフリックスは、個人の好みに合わせたお勧め番組を提示し、アマゾンはあなただけのお勧め商品をユーザー履歴に基づいて表示する。
これら新しいビジネスの成功法則は至ってシンプルである。それは、顧客にカスタマイズサービスを提供することだ。
クリエイト・イット・ユアセルフ(CIY)
現在進むカスタム革命は、古き良き時代を反映している部分もあるが、新しい大きな特徴がある。
産業革命以前は、カスタムメイドが当たり前で何でも自分で手作りしていた。でも今のカスタムメイドは、自分の手で作るドゥー・イット・ユアセルフ(DIY)ではなく、いわば「クリエイト・イット・ユアセルフ(CIY)」だ。
CIYとは、人と違うオリジナルのものをクリエイト(創作)する、つまり楽しい部分だけを自分でやる、という意味だ。
2000年以前、CIYは超富裕層だけの特権だった。高級紳士服店に作らせたオーダーメイドの服を自慢できるのは、一握りのエリートだけだった。しかし21世紀に入った頃から、CIYが工業的な量産体制で実現できるようになったのだ。
リーバイスの失敗と成功
今では至る所で見られる安価なカスタマイゼーションが、以前はどれほど難しかったか。それを証明する有名な事例が、ジーンズメーカー、リーバイ・ストラウス&カンパニーのケースだ。