2015年4月号掲載
何が起こっても一瞬で対処できる上司が使う50のキーワード
著者紹介
概要
部下の能力を引き出し、正しい方向へ導くのが上司の務め。だが、頭ではわかっているのにうまくいかない…。こうした悩みは、上司として知っておくべき“キーワード”を知らないことが原因だとし、「共有」「選択と集中」といった、選りすぐりのキーワードを紹介する。これらを知り、活用することで、判断がスムーズになり、より良い選択ができるようになるという。
要約
一流の上司とは何かを知っているか
私が専門にしているのは、「インバスケット」という究極のアウトプットツールである。
これは1950年代に米空軍で活用され始めた教育訓練ツールである。軍の教育機関で士官やパイロットに教えた知識が、実際に戦場で活用することができるかを測定するためのツールだ。
今、インバスケットは多くの企業の管理職登用試験やリーダー育成の訓練に活用されている。
このトレーニングを受けた多くの方が気づくのは、時間内にアウトプットする難しさである。
例えば60分で20案件を処理するインバスケットに挑戦した時、案件に対して何をすればよいかはイメージできるが、部下に具体的な指示を出せず、アウトプットできないという結果に陥る。
それは、アウトプットするために必要な「キーワード」を知らなかったからだ。
キーワードは頭の中での判断をアウトプットするために必要な要素である。例えば、「定性的」と「定量的」の違いをわからなければ、情報の扱い方もわからないし、「戦術」と「戦略」の違いを知らなければ、長期的な作戦を立てられない。
これらのキーワードを知っておくことは、上司としての武器となる。キーワードを頭に浮かべてそれを選択する方法をとれば、判断もスムーズにでき、そして何より、いくつかのキーワードと比較してより良い選択をすることができる。
そんなリーダーのためのキーワード。それは、例えば、次のようなものだ。
リーダーシップ
リーダーシップとは、メンバーに意識づけをして、正しい判断を行い、方向を合わせることだ。
ここで勘違いされやすいのは、上司になればリーダーシップを発揮できるという思い込みだ。例えば、課長という職位があればメンバーをまとめられる、という考えは二流の上司の考え方だ。