2015年10月号掲載
超ロジカル思考 「ひらめき力」を引き出す発想トレーニング
著者紹介
概要
変化が激しく、先の見えにくい今日、アマゾンのジェフ・ベゾスやソフトバンクの孫正義のように、新しい世界観をいち早く発見できる者が成功する。本書は、これら天才たちの「頭の使い方」を解説するものだ。花王の消費者の潜在ニーズの捉え方など、様々な事例とともに、どうすれば前例や常識に囚われず、新しい「モノの見方」ができるようになるかが説かれる。
要約
見えないものを見る
グーグル創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、ソフトバンク創業者の孫正義、アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス…。
彼らは「情報革命後の世界をどう勝ち抜くか」という問いに対し、独自の解を見いだしてきた。
ビジネスの前提条件が根本的に変わる中で、彼らが前例や旧来のロジックに囚われない解決策を見いだせたのは、自分の「モノの見方」を変える力を持っていたことによる。
では、どうすれば、そうした力を習得できるのか。
知られざる脳のメカニズム
情報革命という環境の激変をサバイバルするために、必要なもの。それは「今我々の目には見えていない新しい世界を発見すること」だ。
では、どうすれば今見えていないものを見られるようになるのか。その問いに答えるためには、脳のメカニズムについて知る必要がある。
人が何かを一生懸命考えている時の大脳の稼働率を100%とした時、全く何も考えずにボーっとしている時の大脳の稼働率は8割以上。何も考えていない時でも、大脳の大半は稼働している。
では、この脳の8割以上を占める無意識の世界では、何が行われているのか。
まず、無意識の世界には、経験したことに「タグ」を付けて記憶する機能がある。次に、外部から五感を通じて刺激が入ってくると、その刺激と関連するタグを持つ過去の記憶を瞬時に検索し、そこで引っかかってきた記憶を組み合わせて、刺激を解釈する「モノの見方」をつくり出すという。
例えば、動物がかすかな匂いから、敵が迫っていることをイメージできるのは、匂いという刺激を受けて無意識の世界が検索を行った結果、敵に関する過去の経験が引っかかってくるからだ。
見えない世界を見つけるには
それでは、無意識の世界を活性化させ、見えない世界を発見するには、どうすればいいのか。