2016年12月号掲載

フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣

Original Title :Lessons from Madame Chic:20 Stylish Secrets I Learned While Living in Paris

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著者紹介

概要

間食はせず、食事を存分に楽しむ。上質な物を少しだけ持ち、大切に使う…。物質主義の米国からフランスに留学した著者が、パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣を明かす。興味深いエピソードとともに語られる、日常の中にささやかな喜びを見つける生き方。それは、本当の意味で「生きる」ということを教えてくれる。

要約

“暮らしの質”を高める秘訣

 2001年、南カリフォルニア大学の学生だった私は、交換留学生としてパリへ行き、フランス人家庭にホームステイすることになった。

 私には、パリにいる間に学びたいことが山ほどあったが、「人生の生き方」についてこれほど多くのことを学ぶとは、思ってもみなかった ―― 。

間食はシックじゃない

 ホームステイの初日、夕食を終えて何時間かすると、お腹が空いてきた。ホストファミリーと会ったばかりで少し緊張し、フランス語で会話するのに必死で、お腹いっぱい食べられなかったのだ。

 結局、その夜はお腹を空かせたままベッドにもぐりこんだ。何だか不思議な感覚だったが、意外と悪くなかった。というか、新鮮な感じだった! たぶんそれまで、私は本当にお腹が空いたことがなかったのだ。カリフォルニアでは、少しでもお腹が空いたらすぐに何か食べていた。

 それからしばらくして気づいたのだが、フランス人はほとんど間食をしない。ホストファミリーのマダム・シック(仮名)の一家も例外ではなく、家族全員がきちんとした食習慣を守っていた。

 毎朝、同じ時間に朝食をとり、お昼はカフェなどでランチタイムを楽しみ、夕食は再び家族でテーブルを囲んで最低3皿のコース料理をいただく。

 誰だって、毎日の食事がそれくらい楽しみだったら、せっかくの食事の前にクラッカーでお腹をふくらませたりするわけがない。

情熱をもって食べる

 おいしく食べて栄養をとりたいと思うなら、食に対する姿勢はとても重要。マダム・シックの一家は、食に対する姿勢がとてもポジティブだった。

 ところがアメリカでは、多くの人はごちそうを目の前にすると、こんなことを言う。

 「クリームがたっぷり入っていそう! 明日はジムに行かなくちゃ!」「ねえ、この料理、いったい何カロリーあると思う?」

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