2017年3月号掲載

あなたのその苦しみには意味がある

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著者紹介

概要

問題にぶつかると、人はすぐ「原因」や「解決策」を考えがち。これに対し、問題の「意味」と「目的」に考えをめぐらせる、「目的論的見地」に立とうと提案する。人生のすべての出来事には意味があり、「必然性」があるから起きている。こういう見方をすれば、単なる災いだった悩み苦しみが、異なる意味を持ち始め、光が見えてくる!

要約

なぜ、悩み苦しみは次々と生まれるのか

 生きている限り、人生から悩み苦しみがなくなることはない。

 「職場の人間関係でいろいろと、もめている」「いい仕事に恵まれない」「結婚できない」…。

 生きるとは、苦しみを抱え続けること ―― 。そう言っても、いいのかもしれない。

 普通、私たちは、こうした悩みや苦しみを早く片付けたいと思う。しかし本書は、こうした悩みや苦しみを、「少し異なる見地」に立って見てみることを提案する。

 その少し異なる見地とは、人生の悩みや苦しみに対する「目的論的見地」である。目的論的見地に立ってみると、人生の様々なことがこれまでとは異なった意味を帯びて見えてくるのだ。

人生に対する「目的論的見地」

 では、目的論的見地とは何か。

 人生のすべての出来事には意味があり、「必然性」があるから起きている。だから、私たちは人生で何らかの問題に直面した時、すぐにその「原因」は何か、「解決策」は何かと考えるけれども、より重要なのは、その問題の「意味」と「目的」に考えをめぐらすことである。

 「あのような出来事が、いったい、なぜ、あの時の私に、あのタイミングで、私の人生で起きなくてはならなかったのか。その意味と目的はどこにあるのか」。目的論的見地では、こういう視点から、私たちの悩み苦しみに対して考えていく。

すべての出来事には、意味がある

 例をあげよう。ある40代の女性は、不登校の息子(中学2年生)のことで悩んでいた。

 初回のカウンセリングでは、「本当にもう、この子は我が家の疫病神ですよ。この子さえいなければ、我が家は本当に楽しかったんです。一緒にディズニーランドに行ったり、旅行をしたり…今ではそれが、どこにも行けやしない…」と、息子に対する怒りを、かみ殺すように語っていた。

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