2017年8月号掲載
新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法
著者紹介
概要
知識量を増やし、論理力を磨く上で最も効果的な勉強法。それが「新・独学術」。“大学受験用の参考書”で1人学ぶ、というものだ。政治・経済や現代文等の教材には、ビジネスに役立つ知識や論理が詰まっている。これを活用すれば、コンサルタントのような「賢さ」を効率よく身につけ、優れたパフォーマンスを発揮できるという。
要約
「参考書」で知識と論理力を育む
今、MBA(経営学修士)ホルダーやコンサルティング会社出身者のうち、少なからぬ人数がビジネス界で活躍している。こうした人材はなぜ、様々な業界でパフォーマンスを発揮できるのか。
一言でいえば、その秘密は「賢さ」にある。
ここでいう賢さとは、「知識量」と「論理力」である。彼らは、基礎知識を土台に、雪だるま式に新たな領域の知識を短時間で身につけられる。また、論理がしっかりしているので、未知の課題にも精度の高い解やアイデアを出せる。
では、知識量を増やし、論理力を磨くにはどうすればいいのか。その方法を説明しよう。
ここで紹介するのは、ビジネスに必要な知識や論理を「大学受験用の教材」で効率よく身につける方法で、私自身がビジネスの現場で、試行錯誤しつつ開発・実践してきたものだ。
「参考書」以上に効率的なテキストはない
例えば、あなたが経済学を学びたいと思ったとする。だが、経済学といっても種類は様々、経済史もあればマクロ経済学やミクロ経済学もある。
一方、大学受験用の参考書、例えば『政治・経済 標準問題精講』では、経済分野のわずか40題をこなすだけで、経済史からミクロ経済学、マクロ経済学まで全体像を俯瞰できる。この参考書で経済の仕組みを大づかみに理解できれば、世界経済の流れを理解することができる。
問題を解くことで、知識が「自分のもの」になる
大学受験用の教材を使うメリットは、単に効率的に俯瞰できるということだけではない。最も重要な価値は、「参考書には問題と答えがある」ということである。
多くのビジネスパーソンがビジネス書をたくさん読んでいる。しかし、本で学んだことを本当に理解し、自らの血肉にできているだろうか。せっかく知識を仕入れても、それを正しく咀嚼し、記憶として定着させられなければ意味がない。
本当の意味で知識や論理を身につけたいと思うなら、「この場面で著者が言いたいことは何か?」「なぜ、そう言えるのか?」という問いを立て、論理的に考え、正しい答えを導き出すというトレーニングが不可欠である。
とはいっても、自分で問いを立てながら本を読むのは簡単ではない。しかし参考書ではフィードバック付きのトレーニングができる。出題されている問題を考え、それから解答を見て、考えた結果と照らし合わせる。この繰り返しによって知識が自分のものになり、記憶として定着していく。