2018年5月号掲載
ブランディング22の法則
Original Title :The22 Immutable Laws of BRANDING
著者紹介
概要
優れたブランドを築くカギは何か。商品ラインを増やす? 高品質を追求する? 2人の著者は、拡張主義や品質主義などの“常識”は、逆にブランドを傷つけかねないという。本書では、豊富な事例を挙げて、これら常識の問題点を示し、ブランド構築の基本原則を説く。1999年の刊行以来、多くのマーケターに読み継がれる1冊。
要約
ブランディングの法則
マーケティングとは何か。それは、見込客の頭の中にブランドを築き上げることである。
マーケティングとはブランディングであり、企業が遂行する業務は全てがブランド構築プロセスに何らかの貢献をしている。従って、会社で働く全ての者はマーケティング、とりわけ「ブランディングの法則」に関心を寄せるべきだ。
その法則とは、例えば次のようなものである。
拡張の法則
―― ブランドの力はその広がりに反比例する。
シボレーという車がある。今日、シボレーという名前は、大型車から小型車まで、乗用車からトラックまで、あらゆるものに付けられている。
一般に、雑多なものに同じブランド名を使えば使うほど、そのブランドは弱くなる。シボレーはかつて米国で車のベストセラー・ブランドだったが、今ではその地位をフォードに譲っている。
シボレーには10の車種がある。フォードは8車種だ。フォードがシボレーを売上で抜き去っている理由の1つがこれである。ブランドのパワーはその広がりに反比例するのだ。
シボレーはなぜこれだけの車種を販売するのか。もっと車を売りたいからである。短期的には確かに売れる。しかし長期的に見ると、これは消費者の頭の中にあるブランドネームを傷つける。
長期的には、ブランドを拡張するとそのパワーは減り、イメージが弱まるのである。
収縮の法則
―― 焦点を絞り込む時、ブランドは強力になる。
米国では、どんな小さな町にもコーヒーショップがある。そのコーヒーショップには、パンケーキ、ホットドッグ、パイなど何でも揃っている。