〈パブリシティの法則〉
ブランドが誕生するのは広告ではなく、
パブリシティによってである。
解説
マーケティングとは何か。それは、見込客の頭の中にブランドを築き上げることである。
マーケティングとはブランディングであり、企業が遂行する業務は、全てがブランド構築プロセスに何らかの貢献をしている。従って、会社で働く全ての者はマーケティング、とりわけ「ブランディングの法則」に関心を寄せるべきだ。
上掲は、ブランディングの法則の1つ、「パブリシティの法則」である。化粧品メーカー、ザ・ボディショップの例が、この法則にあてはまる。
創立者のアニタ・ロディックは、広告を全く使わずに、ザ・ボディショップを巨大ブランドに築き上げた。
彼女は、広告の代わりにパブリシティの機会を求めて精力的に世界を旅し、環境や人々に優しい化粧品という自分のアイデアを売り込んだ。そして、新聞や雑誌の記事、ラジオやテレビでのインタビューによって、ザ・ボディショップ・ブランドが文字通り創造された。
過去には、潤沢な広告予算がブランド構築のキーポイントだったかもしれない。しかし過去に有効だったからといって、今日も有効だとは限らない。私たちは今、情報過多社会に生きている。毎日接するCMは数百本に上る。
今日、ブランドは生まれ出るものであって、作られるものではない。新しいブランドには、メディアでの好意的なパブリシティを生み出す力がなくてはならないのである。