2019年12月号掲載
部下の強みを引き出す 経験学習リーダーシップ
著者紹介
概要
人の成長の7割は“経験”によって決まるという。著者の調査によれば、育て上手といわれる人は、部下の「経験から学ぶ力」を高めることで、成長を促す。振り返る力、やりがいを感じる力などから成る、経験から学ぶ力。その向上を効果的に支援する3つの指導法を、本書は詳説。部下育成に悩むマネジャーにお勧めの1冊だ。
要約
経験学習の基本プロセス
人の成長の7割は経験によって決まるという。しかし、同じ経験をしても、大きく成長する人もいれば、成長しない人もいる。なぜか?
それは「経験から学ぶ力」の違いである。
経験から学ぶ力とは
人は、「経験 → 振り返り → 教訓化 → 応用」の経験学習サイクルを通して学ぶ。
そして、経験から学ぶ力は、次の5つの要素から成る。
①ストレッチ(挑戦する力)
与えられた仕事を遂行するにあたり、高い目標を設定する力、すなわち挑戦する力。
②リフレクション(振り返る力)
経験を適切な形で振り返ることができる能力。
③エンジョイメント(やりがいを感じる力)
ストレッチとリフレクションだけを繰り返していると、疲弊してしまう。そこで必要となるのが、「やりがいを感じる」力である。
④思い
①~③を高める原動力の1つが、個人の「思い」だ。目標、信念、価値観、ビジョンのように、その人が向かっている方向性や、大切にしている考え方やこだわりである。
⑤つながり
①~③を高めるもう1つの原動力が、他者とのつながりだ。成長している人は、成長を応援してくれる他者とつながっている傾向にある。