2025年2月号掲載
ミネルバ式 最先端リーダーシップ 不確実な時代に成果を出し続けるリーダーの18の思考習慣
- 著者
- 出版社
- 発行日2024年11月22日
- 定価2,750円
- ページ数431ページ
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著者紹介
概要
世界最難関の大学として注目を集める、米ミネルバ大学。そのミネルバが掲げる最先端のリーダーシップが、本書で紹介される「適応型リーダーシップ」だ。先の見えない今日、日々生まれてくる課題は適応することなしには解決できない。そのための実践的な知恵、成果を出すためのリーダーシップのエッセンスをまとめた1冊。
要約
複雑なシステムをリードする思考法
リーダーシップとは天賦の才でも感覚のなす業でもなく、誰もが習得可能な知恵である。
米国の教育機関ミネルバは、「世界が必要とする知恵を育む」というミッションのもと、2011年の設立以来「高等教育の再創造」をリードしてきた。今や「ハーバードよりも入学が難しい」として知られる「ミネルバ大学」は、その代表的な取り組みだ。
そのミネルバが掲げる最先端のリーダーシップが「適応型リーダーシップ」である。適応とは、「人や組織、社会が、変化する環境の中でも生き残り、成果を出し続けるために自己を変容させる営み」だ。つまり、適応型リーダーシップとは、そうした変容プロセスを実現するために、1人1人が周囲に対して発揮すべき力ということになる。
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ミネルバでは、適応型リーダーシップを具体的な3つの視点に分類している。
1つ目は「複雑なシステムをリードする思考法」だ。そのうち最も重要なのが、システム思考である。
問題を「システム」として理解する
「営業チームにインセンティブ制度を導入したことで売上は増えたが、リピーターが減少した」「新システムを導入した結果、作業時間は短縮されたが、部署間での連携不足が目立つようになった」…。
このような現象は、組織ではよく起こる。これは、システムの複雑性が起こすものである。
「これをすればこうなるはずだ」というように、私たちはつい単純な因果関係を前提に打ち手を考えがちである。しかし、対処療法的な打ち手は思わぬ結果を招くこともある。
システム思考は、こうした直線的な考え方を保留し、事象を取り囲む周辺を「システム」(個々の要素が相互に影響し合いながら、全体として機能するまとまりや仕組み)と捉え、「システムの中で一体何が起きているのか?」を観察する思考法である。それによって、背景にある様々な要素がどう作用して問題につながっているのかを理解しやすくなる。
システム思考を実践する3つのステップ
システム思考の実践には3つのステップがある。