2024.5.20

編集部:西田

国益よりも政治生命 独裁者を動かす政治力学を読み解く

国益よりも政治生命 独裁者を動かす政治力学を読み解く

 イスラエルが、ガザ地区南部ラファへの攻撃を続けています。
 イスラエルとハマスは、これまで数度にわたり停戦に向けた協議を実施してきました。
 一時はハマスが停戦案の受け入れを表明するなど、停戦が実現するのではないかという機運も感じられましたが、結局、交渉は頓挫。イスラエル側が恒久的な停戦は受け入れられないと反発するなど、合意に至らないまま終了しています。

 その後、アメリカのバイデン大統領は、イスラエルがラファへの侵攻を行うならば武器供与を停止するなどと発言し、停戦に向けた働きかけを続けています。
 ですが、イスラエルのネタニヤフ首相は孤立してでも戦うという意思を表明、戦闘を続ける姿勢を示しています。

 この強硬な姿勢の背後には何があるのか。
 イスラエルとハマスの間には、もちろん民族的な対立の複雑な歴史があります。しかし今回は、それとは別の視点――国家内部の権力関係に焦点を当てて読み解いてみたいと思います。その助けとなるのが、『独裁者のためのハンドブック』(ブルース・ブエノ・デ・メスキータ、アラスター・スミス/亜紀書房)です。

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