
1月10日、米証券取引委員会(SEC)は、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの現物で運用するETFを11銘柄承認すると発表しました(「米SEC、ビットコインETFを初承認 投資層の拡大に期待」/日本経済新聞電子版2024年1月11日)。ETFとは、金融商品取引所に上場している投資信託のことです。
ビットコインの歴史は、2008年10月、正体不明の天才サトシ・ナカモトがインターネット上に論文を投稿したところから始まりました。それからわずか16年で、取引所で取引される金融商品として認められたとあって、大きな注目が集まっています。この決定により、投資家が従来よりも容易にビットコインを購入できるようになることから、投資家層の拡大が期待されています。
そんなビットコインと、その土台となる技術「ブロックチェーン」に早くから注目していた経済学者の1人が、元大蔵官僚で、一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏です。野口氏といえば、ベストセラーとなった『「超」整理法』シリーズをはじめ、『「超」文章法 伝えたいことをどう書くか』や『2040年の日本』など、数々の話題書の著者としてご存じの方も多いでしょう。
今回のPick Up本では、氏がビットコインの基本的な仕組みや、経済・社会に与える影響について説いた『仮想通貨革命 ビットコインは始まりにすぎない』(野口悠紀雄/ダイヤモンド社)を取り上げます。
日本円や米ドルのような従来の通貨と異なり、発行者も管理者も存在しないビットコイン。その革新性について、野口氏は次のように述べています。
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