人は何もしないでぼーっとしている時、ユニークなアイディアや問題を解決する方法を思いつきます。創造性の定義にはいろいろあるけど、脳内でまったく新しい結びつきが生まれることだとすれば、それにはちょっとした助けが必要で、あなたが退屈することこそが絶好のきっかけになるんです。未来学者のリタ・キングはこれを「創造のための退屈」と名づけています。
解説
何かを創造する時、私たちは「退屈」する必要がある。認知神経科学者のジョナサン・スモールウッド博士は言う。「独創性や創造力と、ぼーっとしている時にふと浮かぶ発想は、非常に深いところで密接につながっている」。
私たちは意識的に何かをしている時、注意力を制御する「実行注意ネットワーク」という脳の部位を使っている。
これに対し、ぼんやりして心がさまよっている時は、「デフォルトモード・ネットワーク」という部位が活発に働く。デフォルトモードは、脳が明確な目的のある作業に集中していない状態のこと。つまり、ぼんやりしているからといって、頭のスイッチが切れているわけではない。
スモールウッド博士は、ぼんやりすることは人間にとってきわめて重要で、それは「人間とその他の動物を分ける決定的な要素」だと言う。