2014年3月号掲載
なぜ部下は「言い訳」するのか
著者紹介
概要
言い訳するのは潔くない、見苦しい ―― 。実は、そう思うのは中高年世代だけで、今の若い世代は、言い訳はして当然と考えている!? 上司世代には驚きの、若手部下の言い訳に対する考え方を紹介。返す刀で、聞く耳を持たない上司の問題にも言及。言い訳をする側、言い訳を聞かされる側の心理を説明し、よりよい上司―部下関係を築くためのヒントを示す。
要約
なぜ言い訳する若者が増えたのか
「近頃の若者は何かと言い訳をする」
中高年世代から、そんな声を聞くことが多い。言い訳をするのは潔くない行為であって、何とも見苦しい。中高年世代は言い訳に対して、そうしたネガティブなイメージをもっている。
世代による感受性の違い
だが、若者にはそうした感受性は見られない。例えば ――
若手部下の取引先から、商品のキャンセルの連絡があった。人事異動で取引先の担当者が替わり、いろいろと見直すことになったのだという。
新しい担当者とこれから折衝し、巻き返しを図らないといけない。キャンセルといっても、まだまだ巻き返しのチャンスはある。
そうした事情を説明しようとする部下に、上司は「言い訳は聞きたくない。キャンセルの事実に変わりはない。言い訳をする暇があったら、やるべきことをやれ」と厳しい口調で叱咤激励した。
しかし部下は、「別に言い訳したいわけじゃない。そりゃ、キャンセルの事実は明白だけど、その背景事情は説明しないとわからないだろうから説明しようと思ったのに、なぜ突っぱねるような言い方をするんだ」と、反発心が湧いてくる。
一方、上司も、あいつはひと言多い、やる気があるなら行動で示せばいいと思い、ムッとしている。
ここには、感受性の違いがある。
今、言い訳が必要とされている
では、言い訳はすべきではないのか。
他人に責任転嫁しようとしたり、無理やり状況のせいにしたりするなど、責任逃れのための言い訳は見苦しい。そんな言い訳はすべきでない。