2018年2月号掲載
ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方
Original Title :THE LITTLE BOOK OF HYGGE
- 著者
- 出版社
- 発行日2017年10月25日
- 定価1,760円
- ページ数286ページ
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著者紹介
概要
「世界で最も幸せな国」デンマークで大切にされている暮らしのあり方、それが「ヒュッゲ」だ。例えば、キャンドルに火をともしたり、友人を家に招いて食事をしたり…。人と温かくつながり、満ち足りた時を過ごす。ヒュッゲを軸にした、そのシンプルで心地よいライフスタイルが、豊富な写真を添えて紹介される。
要約
「ヒュッゲ」について話しましょう
私の仕事は、「みんなを幸せにするものは何か」について研究することである。働いているところは「ハピネス・リサーチ研究所」という。
私たちがデンマークに研究所をつくって活動しているのは、この国が「世界で最も幸せな国」の上位に名を連ねる常連だからだ。
各国の様々なメディア、政治家や研究者が「なぜ、デンマーク人はそんなに幸せなのか」と質問を寄せてくる。気候は厳しく、しかも世界で最も税金の高いデンマークが、一体なぜ? と。
未来への不安を減らす「福祉国家」というしくみは、デンマークが幸せな国であるゆえんと言っていい。しかし最近、私は多くの人が見逃していた点があることに気がついた。それが「ヒュッゲ」である。この言葉は、「満ち足りること」という意味のノルウェー語から来ている。
「満ち足りること」「幸せであること」とヒュッゲにつながりがあるのは偶然ではない。では、ヒュッゲをつくり出すにはどうすればよいのか?
キャンドルをともせば、ヒュッゲはすぐにやってくる
デンマーク人に、「ヒュッゲと聞いて思い浮かべるものは何か?」とたずねると、なんと85%以上の人が「キャンドル」と答える。
ヒュッゲな状態をつくる一番の近道は、キャンドルに火をともすことだ。実は、デンマークは1人当たりのキャンドル消費量がヨーロッパで一番多く、年間消費量は6kgにもなる。2番目に多いのはオーストリアだが、消費量は3.16kg。デンマークは、その2倍近い量を消費している。
ただし、アロマキャンドル(香りつきのキャンドル)はあまり人気がない。アロマキャンドルは人工的なものとされ、自然のもの、オーガニック製品を好むデンマーク人は使いたがらないのだ。
照明へのこだわり
デンマーク人はおおむね、照明に強いこだわりを持っている。照明をじっくりと選び、考え抜いて配置することで、やわらかな陽だまりをつくり出そうとする。照明の色温度が低いほど(つまり薄暗いほど)、ヒュッゲの度合いは高まる。
なぜデンマーク人は、あかりにこだわるのか? それは、10月から3月までの間、自然の光を浴びられないからだ。この間、デンマークは暗闇に包まれる。反面、デンマークの夏は美しく輝く。待ちに待った太陽が帰ってくると、人々はわれ先にと自然光の降りそそぐ場所を探し求める。
暗くて寒い冬、短い夏、1年365日のうち179日もある雨の日。それがデンマークという国だ。