成果をあげるための秘訣を1つだけあげるならば、それは集中である。成果をあげる人は、もっとも重要なことから始め、しかも、一度に1つのことしかしない。
解説
成果をあげるための秘訣、それは「集中」することだ、とドラッカーは説く。
自らの強みを生かそうとすれば、その強みを重要な機会に集中しなければならない。それ以外に成果をあげる方法はないのだ。
人には驚くほど多様な能力がある。だが、その多様性を生産的に使うためには、多様な能力を1つの仕事に集中することが不可欠だ。
集中するための第1の原則は、もはや生産的でなくなった「過去のもの」を捨てることである。
そのためには仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとして、今これに手をつけるか」を問う必要がある。答えが無条件にイエスでない限り、やめるか、大幅に縮小すべきだ。生産的でなくなったものに、資源を投じてはならない。
従って、自らが成果をあげることを望み、組織が成果をあげることを望む者は、常に計画、活動、仕事を点検する。「これは価値があるか」を自問する。答えがノーならば、真に意味のある仕事に集中するために、それらを捨てる。
古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である。