トップと補佐役の関係が成立するためには、一定の条件がある。その条件とは、両者の置かれた現実的条件だけではなく、人格・パーソナリティ・生き方がうまく合致することであり、これは幸運に恵まれなければ成立しないことであるかもしれない。この関係がうまくいけば、トップの持つ創造性が、補佐役の持つ現実的な能力によってうまく活かされ、花開くのである。
解説
トップの多くは天才であり、創造性の高い人である。それに対して補佐役は現実的・実務的だ。
補佐役として生きていくためには、トップの創造性、天才的な要素を発見し、それを助けようという気持ちにならなければならない。トップの価値観や理想に共鳴し、その夢や目標に同一化できた時、大きな成功をつかむことができる。
また、補佐役としての役割を果たすには、自分の性格とトップの性格を見極める必要がある。トップには欠陥もあるだろうが、そうした欠陥は補佐役としての自分が求められる条件でもある。欠陥はあるが、才能があり、支える価値があると考えられるような相手でなければならない。
では、自分が同一化できるトップに恵まれない場合はどうしたらいいのか。この場合、トップと補佐役の関係は成立しない。しかし組織への忠誠心があれば、企業や組織自体を同一化の対象として、補佐役としての献身を行うことはできる。