カエルを二匹取ってきて、一匹を水を入れた鍋に入れる。その鍋を徐々に温める。温度の変化が少しずつであるので、カエルは何の不安も持たずに心地よく鍋の中にうずくまっている。カエルはいつでも逃げ出そうと思えば逃げ出せるのに、温度が上がっていっても何の意識も持たず、そして高温になっても気づかず、やがて沸騰した湯の中でゆで上がって、最後は死んでしまう。
今度は、もう一匹のカエルを持ってきて、その沸騰した湯の中へ入れる。当然カエルはびっくりして、必死で鍋から飛び出す。そのカエルは火傷をするかもしれないが、死なずにすむ。すなわち、前者は変化に気づかずに死に、後者は反射的に変化を察知して生き残る。
解説
このように、少しずつ上昇する温度の変化に気づかないカエルがゆで上がってしまう現象を「ゆでガエル現象」という。社会では、こうした現象を頻繁に目にする。そしてその大半が、大きな社会的問題や経営・政治の問題に発展している。
我々も変化に対する感度を落としていると、早晩ゆでガエルになる。そうならないよう、変化に対応していかなければならない。
ゆでガエル現象に陥っているかどうかを見極めるチェックポイントは、次の通りである。
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- ①上から降りてくる仕事をこなしている
- ②変化もなく、平凡で心地良い状態である
- ③興奮することもなく、新たに大きな挑戦もない
- ④熱中することも少ない
- ⑤人生に対する特に大きな目標もない
これらに当てはまるなら、変化に対する感度が落ちる「マンネリ化」の状態だ。熱湯をかぶって、目を覚まさなければならない。