〈 ピーターの法則 〉
階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。
解説
組織と名のつくところには、必ずといっていいほど、怠け者や仕事のできない人間がごろごろしている。
なぜ、無能な人間がはびこっているのか?
教育学者のローレンス・J・ピーター氏らは、そうした無能な人間たちの事例を分析した結果、1つの結論にたどり着いた。それが、上記の「ピーターの法則」である。
ここでいう階層社会とは、身分や等級、階級に従って構成員の配置が決まる組織のことである。
この階層社会 ―― ビジネス界、政界、官公庁、教育界といった世界で働く人は、誰一人として、ピーターの法則の支配から逃れられない。
有能だと認められて昇進し、次のレベルでも有能でいられるケースもある。しかし、新しい地位で有能と認められるということは、さらに次の昇進が待っているということだ。
つまり、すべての個人にとって、最後の最後の昇進は、有能レベルから無能レベルへの昇進となる。
すべての個人は、その人なりの無能レベルに行きつくまで昇進し、その後はそこに留まり続けるのである。そして、組織は次のような帰結を迎える。
「やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる」
これを、「ピーターの必然」という。