人は困難な時期があるからこそ、より大きな喜びを感じられるようになるということを忘れてはなりません。困難こそが、人生におけるすべての喜びへの感謝の気持ちをつくり、この感謝の気持ちこそが、真の生きがいや喜びの源になるのです。
解説
私たちの社会は、「幸せでなければならない」という思い込みにとらわれている、と批評されることがある。
事実、その場しのぎの問題解決法や、苦痛のない人生のための自己啓発本がよく売れている。その意味では、こうした批評は当たっている。
しかし正確に言うと、人々がとらわれている思い込みは、「幸せでなければならない」というよりも、「楽しさが全て」というものだ。
真に幸福になるには、こうした自己啓発本などが回避しようとする不快な感情や辛い体験が必要だ。人は、困難を克服することで幸せになれる。
精神科医ヴィクトール・フランクルは言う。
「人間が本当に必要としているのは不安のない状態ではなく、価値ある目標のために努力することである。人間に必要なのは何としてでも不安を取り除くことではなく、意義の達成に使命を感じることである」