2020年4月号掲載

フラット化する世界〔普及版〕(上・中・下) 経済の大転換と人間の未来

1989年、東西を分かつベルリンの壁が崩壊し、人や情報の往来が自由になる。そして、SNSやブログなど通信手段の発達は、遠くへ、速く、深く、手を広げる力を個人に与え、世界は“平ら”になった ―― 。今、猛スピードで進む新しい段階のグローバル化と人間の未来を、ピュリツァー賞を3度受賞したジャーナリストが見通す。

著 者:トーマス・フリードマン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2010年7月
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2020年3月号掲載

スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM

万人を豊かにする“進歩的資本主義”を説いた書。著者は、ノーベル経済学賞受賞者で、世界銀行のチーフエコノミストを務めた経済学者だ。アダム・スミスの言う「見えざる手」が機能していない市場原理主義の現状を明らかにし、誰もが中流の暮らしをするために、政府がなすべきことを提言。正しい資本主義のあり方を示す。

著 者:ジョセフ・E・スティグリッツ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2020年1月
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2020年3月号掲載

リベラリズムの終わり その限界と未来

米国のトランプ現象に見られるように、近年、「リベラリズム」に対する風当たりが強い。個人の自由の尊重、弱者救済といった主張が、なぜ嫌われるのか? 気鋭の哲学者が、リベラリズムを適用できない現代社会の実情、思想的限界を考察する。フェアネス(公平さ、公正さ)という、この思想の最良の部分を活かすために ―― 。

著 者:萱野稔人 出版社:幻冬舎(幻冬舎新書) 発行日:2019年11月
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2020年3月号掲載

クリーンミート 培養肉が世界を変える

「クリーンミート」とは、細胞から人工培養で作る食肉のこと。動物を殺さず、資源を節約でき、地球環境にも優しい。近年登場したこの手法は、「細胞農業」と呼ばれ、酵母で作る牛乳や鶏卵などの開発も進む。本書は、そんな食の最前線をリポート。さらに、遺伝子組み換え食品を怖がる消費者との向き合い方にも触れる。

著 者:ポール・シャピロ 出版社:日経BP 発行日:2020年1月
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2020年2月号掲載

AFTER SHARP POWER 米中新冷戦の幕開け

「シャープパワー」。これは、情報の歪曲や世論操作などの強引な手段を使い、相手国に自国の方針をのませようとするもの。中国は主に米国で用いてきたが、近年、米国では警戒感が増し、排除の動きが進む。米中新冷戦の要因とされる、この新たなパワーはいかなるものか、詳しく説くとともに、日本が学ぶべき教訓についても記す。

著 者:小原凡司、桒原響子 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年12月
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2020年2月号掲載

国際社会を支配する地政学の思考法 歴史・情報・大衆を操作すれば他国を思い通りにできる

地政学は、国の地理的位置や歴史と、政治現象との関係を研究する学問だ。だがグローバル時代の今日、「地球全体」を視野に入れる必要がある。そんな現代の地政学、そして“地政学的戦略”を説いた書。歴史上の出来事や最新の世界情勢を引きつつ、権力者が用いる様々な戦略を語る。著者は、元欧州合同軍防諜・治安部隊長官。

著 者:ペドロ・バーニョス 出版社:講談社 発行日:2019年12月
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2020年2月号掲載

私たちが、地球に住めなくなる前に 宇宙物理学者から見た人類の未来

今、世界の人口は76億人。それが、2050年には90億人になるという。食料は大丈夫か。地球温暖化の影響は。また、AI・バイオ技術などの進化は、暮らしに寄与するのか否か。未来に関する懸念の数々を、世界的な宇宙物理学者が、科学的な視点から考察。人類の明日に向けて考えるべき重要な問題が、わかりやすく示される。

著 者:マーティン・リース 出版社:作品社 発行日:2019年11月
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2020年2月号掲載

7つの階級 英国階級調査報告

これまで社会階級は、上流・中流・労働者の3つに分けられていた。だが、今はそう単純ではない。エリートと貧困層の間には、複雑で曖昧な中流層が存在する。本書は、「経済資本・文化資本・社会関係資本」の3つの所有の面から英国社会を分析、7階級の存在を明らかにした。格差について考える上で新たな視点をもたらす1冊だ。

著 者:マイク・サヴィジ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年12月
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2020年2月号掲載

サイコパス

従来、反社会的な人格というイメージが強かった「サイコパス」。近年、その正体が徐々に解明され、企業経営者や弁護士にもこうした気質の人が多いことがわかってきた。本書は、最新の脳科学を基に、サイコパスの特徴や脳の働きを詳述する。某国の大統領も、あなたの知人も、もしかするとサイコパスかもしれない ―― 。

著 者:中野信子 出版社:文藝春秋(文春新書) 発行日:2016年11月
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2020年1月号掲載

危機と人類〔上〕〔下〕

著者は、『銃・病原菌・鉄』で知られるジャレド・ダイアモンド氏。本書では、国家的危機への対処法を、個人的危機の解決法というレンズを通して考察。近現代の国家の危機を事例に、劇的変化を乗り越えるための道筋を示す。国も人も、全く違うものへは変われない。危機に際しては、何を変え、残すか、「選択」が大事だという。

著 者:ジャレド・ダイアモンド 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年10月
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2020年1月号掲載

米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く

トランプ vs. 習近平 ―― 。ニュースでは決して報じられない米中対立の真実を、中国研究の第一人者が明かす。トランプがファーウェイの禁輸制裁緩和に傾いた理由や、中国「一帯一路」構想に隠された“中華の知恵”。激しさを増す覇権争い、変動する東アジアの行方を見通し、二極化が進む世界で日本はどうすべきかを考察する。

著 者:遠藤 誉 出版社:毎日新聞出版 発行日:2019年11月
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2020年1月号掲載

日本はすでに侵略されている

1995年、中国の李鵬首相は言った。「日本という国は、40年後にはなくなってしまうかもしれない」。そして今、全国の離島、自然が残る観光地などを、中国人らが買いあさっている。対する日本は、何の対策もなし。わが国は、将来、彼らのリゾート地と化すのか? 外資による「静かなる侵略」の最新動向をレポートし、警鐘を鳴らす。

著 者:平野秀樹 出版社:新潮社(新潮新書) 発行日:2019年11月
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2020年1月号掲載

GLOBOTICS グローバル化+ロボット化がもたらす大激変

近年、自動化、ロボット化といったデジタル革命の下で、グローバル競争が進んでいる。こうした経済の潮流 ―― 「グロボティクス」が、社会にもたらす変化を考察した書だ。先進国のホワイトカラーの雇用を脅かし、中間層を崩壊させるグロボティクスの衝撃と、破壊的な変動の先にある未来を、国際経済学の第一人者が論じる。

著 者:リチャード・ボールドウィン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年11月
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2020年1月号掲載

ゲノム革命がはじまる DNA全解析とクリスパーの衝撃

遺伝子レベルで相性の良い相手を紹介する「DNA婚活」など、様々な分野で遺伝情報に基づくサービスが広がっている。だが、その信頼性はどうなのか? 本書は、遺伝子検査からゲノム編集まで、最新動向を紹介しつつ、急速に進む「ゲノム革命」を解説。ゲノム技術が孕むリスクと可能性、倫理問題などについて言及する。

著 者:小林雅一 出版社:集英社(集英社新書) 発行日:2019年11月
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2020年1月号掲載

経済成長という呪い 欲望と進歩の人類史

産業革命後、人々は物質的な豊かさを求め、経済成長を信奉するようになった。地球環境の危機が叫ばれる今も、富の追求がやむことはない。人は、無限の欲望という“呪い”から逃れられないのだろうか? フランスを代表する経済学者・思想家が、経済成長と人間の欲望を読み解く。現代資本主義に対する警鐘と提言の書。

著 者:ダニエル・コーエン 出版社:東洋経済新報社 発行日:2017年9月
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2019年12月号掲載

人口減少社会のデザイン

膨大な政府の借金、格差拡大、社会的孤立の進行…。今の日本は「持続可能性」において危機的状況にある! こう指摘し、転換を図るための論点と提言を示す。「人口減少社会」から、持続可能な「定常型社会」へ。「農村型コミュニティ」から「都市型コミュニティ」へ。大きな視野から、人口が減少する日本社会のありようを考える。

著 者:広井良典 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年10月
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2019年12月号掲載

みんなにお金を配ったら ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?

今、世界的に注目を集めている貧困対策がある。名称は、「ユニバーサル・ベーシックインカム」(UBI)。国民1人1人に、毎月一定金額を給付するもので、貧困撲滅の強力な助っ人になりうるとされる。この制度を考察した書だ。近未来の仕事や格差との関連など、多面的な切り口から、UBIの可能性と問題点を掘り下げていく。

著 者:アニー・ローリー 出版社:みすず書房 発行日:2019年10月
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2019年12月号掲載

AI以後 変貌するテクノロジーの危機と希望

急速に進化するAI(人工知能)を巡り、論議が盛んだ。万能論もあれば脅威論もある。だが、真のリスクと可能性は、2元論を超え、フラットに現状を見つめることで見えてくるという。本書では、物理学や哲学など、異なるジャンルの知の巨人たちが、自らの研究領域から、人類とAIを巡る最先端のビジョンを示す。

著 者:丸山俊一(編著)、NHK取材班(編著) 出版社:NHK出版(NHK出版新書) 発行日:2019年10月
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2019年12月号掲載

未来予測入門 元防衛省情報分析官が編み出した技法

元防衛省情報分析官が、職務で培った未来予測のスキルを、ビジネスパーソン向けにアレンジし、紹介する。「問いの設定」に始まる未来予測の手順、そして「システム思考」「シナリオ・プランニング」等々の思考法・分析手法。披露されるノウハウを自分のものにできれば、自社や業界の未来を、ある程度予測することができる!

著 者:上田篤盛 出版社:講談社(講談社現代新書) 発行日:2019年10月
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2019年11月号掲載

中国「草食セレブ」はなぜ日本が好きか

年間1000万人に迫る勢いで急増する訪日中国人。その半分以上は20~30代の若者で、高級ホテルに出入りしたり、ブランドの限定品を買ったりしている。彼らは何者? 金銭的余裕と旺盛な物欲を兼ね備えた「プチ富裕層」の消費性向を、中国人実業家が分析した。迎える側、日本のインバウンドの可能性、課題についても触れる。

著 者:袁 静 出版社:日本経済新聞出版社(日経プレミアシリーズ) 発行日:2019年9月
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