2020年8月号掲載

共感経営 「物語り戦略」で輝く現場

かつて、アダム・スミスは『道徳感情論』において、「他者に対する共感」の重要性を提起した。その共感の思想が、260年を経た今、改めて世界中の経営者の注目を集めている。「資本主義の再構築」に向けての議論の中で浮かび上がってきた共感。この思想を読み解きながら、いちはやく経営に取り入れている事例を紹介する。

著 者:野中郁次郎、勝見 明 出版社:日経BP・日本経済新聞出版本部 発行日:2020年5月
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2020年8月号掲載

NEO ECONOMY 世界の知性が挑む経済の謎

産業革命以来、モノを効率よく大量生産することで経済は成長してきた。だが、デジタル技術の進歩で、経済の構造は大きく転換しつつある。富の源泉が、モノからデータや知識など“無形資産”に移ったのだ。この大変化、「ネオ・エコノミー」における豊かさとは? リスクとは? 最新の事例を交え、新しい経済社会の姿に迫る。

著 者:日本経済新聞社(編) 出版社:日経BP・日本経済新聞出版本部 発行日:2020年5月
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2020年8月号掲載

日本経済 予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方

2020年代は、これまで叫ばれてきた様々な危機が現実化する ―― 。未来予測の専門家が、今後10年間に日本が直面する様々な現象を予測した。コロナショックによる企業倒産、頻発する気象災害、官僚機構の弱体化、そしてイデオロギー崩壊…。コロナ後の変化とリスクに対応する上で、心に留めておきたい指摘が満載の書である。

著 者:鈴木貴博 出版社:PHP研究所(PHPビジネス新書) 発行日:2020年7月
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2020年7月号掲載

絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

今、世界は数々の難問を抱えている。不平等の拡大、移民問題、貿易戦争、環境問題…。だが、解決に向け、建設的な議論や行動を促すのではなく、責任を転嫁し、怒りを煽る政治指導者は少なくない。こうした現状に対し、2人のノーベル経済学賞受賞者が提言。より良い世界を築くべく、問題点を整理し、なすべきことを示す。

著 者:アビジット・V・バナジー、エステル・デュフロ 出版社:日経BP・日本経済新聞出版本部 発行日:2020年4月
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2020年6月号掲載

格差は心を壊す 比較という呪縛

所得格差が大きな社会は、格差の小さな社会よりも、健康や社会の問題に苦しむ人が多い。金持ちでも幸せになれない ―― 。英国の格差研究の第一人者たちによる渾身の研究である。不平等が人の心をいかに蝕んでいくのか、そして、誰もが幸せになれる社会にどう移行するか。多くの文献とデータを駆使して分析し、提言する。

著 者:リチャード・ウィルキンソン、ケイト・ピケット 出版社:東洋経済新報社 発行日:2020年4月
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2020年5月号掲載

国家・企業・通貨 グローバリズムの不都合な未来

「国民国家・株式会社・中央銀行」。この3つが、現代の政治と経済の基本的な形だ。だが今、グローバリズムの広がりと経済活動のデジタル化により、3者のバランスが崩れ、社会を担う「中間層」が苦しみ、社会の亀裂が深まっている。悪循環に陥った資本主義が向かう先とは。現状と今後を、日銀出身の著者が詳しく読みとく。

著 者:岩村 充 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2020年2月
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2020年5月号掲載

スモール・イズ・ビューティフル 人間中心の経済学

第2次大戦後、世界経済は飛躍的な成長を遂げた。その礎となったのは、自然環境を破壊する生産体制と、富を求める人々の貪欲さだ。だが、こうした繁栄はいつまでも続かない。やがて資源は枯渇し、エネルギー危機が訪れる ―― 。現代社会の根底にある物質至上主義を鋭く批判し、「人間中心の経済学」を考察した名著である。

著 者:E・F・シューマッハー 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発行日:1986年4月
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2020年4月号掲載

無形資産が経済を支配する 資本のない資本主義の正体

ソフトウェアやノウハウなど、物理的なモノではない資産を「無形資産」という。これが近年、先進国で増えており、一部の国では、土地・建物などの有形資産をしのぐほど。その台頭は「ちょっとした変化ではすまない」という著者たちが、無形資産の全貌を分析した。有形資産とは違う特徴や、生産性や格差に及ぼす影響などを説く。

著 者:ジョナサン・ハスケル、スティアン・ウェストレイク 出版社:東洋経済新報社 発行日:2020年1月
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2020年3月号掲載

スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM

万人を豊かにする“進歩的資本主義”を説いた書。著者は、ノーベル経済学賞受賞者で、世界銀行のチーフエコノミストを務めた経済学者だ。アダム・スミスの言う「見えざる手」が機能していない市場原理主義の現状を明らかにし、誰もが中流の暮らしをするために、政府がなすべきことを提言。正しい資本主義のあり方を示す。

著 者:ジョセフ・E・スティグリッツ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2020年1月
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2020年1月号掲載

GLOBOTICS グローバル化+ロボット化がもたらす大激変

近年、自動化、ロボット化といったデジタル革命の下で、グローバル競争が進んでいる。こうした経済の潮流 ―― 「グロボティクス」が、社会にもたらす変化を考察した書だ。先進国のホワイトカラーの雇用を脅かし、中間層を崩壊させるグロボティクスの衝撃と、破壊的な変動の先にある未来を、国際経済学の第一人者が論じる。

著 者:リチャード・ボールドウィン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年11月
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2020年1月号掲載

経済成長という呪い 欲望と進歩の人類史

産業革命後、人々は物質的な豊かさを求め、経済成長を信奉するようになった。地球環境の危機が叫ばれる今も、富の追求がやむことはない。人は、無限の欲望という“呪い”から逃れられないのだろうか? フランスを代表する経済学者・思想家が、経済成長と人間の欲望を読み解く。現代資本主義に対する警鐘と提言の書。

著 者:ダニエル・コーエン 出版社:東洋経済新報社 発行日:2017年9月
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2019年12月号掲載

人口減少社会のデザイン

膨大な政府の借金、格差拡大、社会的孤立の進行…。今の日本は「持続可能性」において危機的状況にある! こう指摘し、転換を図るための論点と提言を示す。「人口減少社会」から、持続可能な「定常型社会」へ。「農村型コミュニティ」から「都市型コミュニティ」へ。大きな視野から、人口が減少する日本社会のありようを考える。

著 者:広井良典 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年10月
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2019年12月号掲載

みんなにお金を配ったら ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?

今、世界的に注目を集めている貧困対策がある。名称は、「ユニバーサル・ベーシックインカム」(UBI)。国民1人1人に、毎月一定金額を給付するもので、貧困撲滅の強力な助っ人になりうるとされる。この制度を考察した書だ。近未来の仕事や格差との関連など、多面的な切り口から、UBIの可能性と問題点を掘り下げていく。

著 者:アニー・ローリー 出版社:みすず書房 発行日:2019年10月
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2019年11月号掲載

データ資本主義 21世紀ゴールドラッシュの勝者は誰か

ビッグデータというキーワードが注目されて久しい。これを武器に、GAFAなど巨大プラットフォーム企業が市場の支配を強め、経済構造を変えつつある。著者は、この膨大なデータを武器にした経済活動を「データ資本主義」と命名。現状と問題点を明らかにし、将来を見通す。この先は、GAFAといえども決して安泰ではない!?

著 者:野口悠紀雄 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年9月
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2019年10月号掲載

ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第12版) 株式投資の不滅の真理

「株式投資の不滅の真理」を説き、世界中で読まれてきた古典的名著の最新版だ。今回の改訂では、リタイア世代の投資方針など、時代に即した項目が追加された。そして初版以来、一貫して変わらないのが、「個人投資家にとってはインデックス・ファンドへの投資がベスト」という主張。なぜベストなのか、その理由が示される。

著 者:バートン・マルキール 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年7月
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2019年10月号掲載

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実

近年、日本では非婚化・晩婚化が進む。経済学者の著者によれば、その背景には、女性の社会進出とともに、結婚のメリットの減少があるとのこと。本書では、結婚、出産、子育てと続く「家族」の問題が、経済学の視点から考察される。様々な科学的研究、データ分析が示す真実は、家族が幸せになるための良きヒントとなるだろう。

著 者:山口慎太郎 出版社:光文社(光文社新書) 発行日:2019年7月
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2019年5月号掲載

イースタニゼーション 台頭するアジア、衰退するアメリカ

世界の経済や政治は、これまで欧米を中心に形作られてきた。だが今や、中国やインドの台頭などにより、世界の重心はアジアへ移りつつある。この「イースタニゼーション」(東洋化)の動きを、フィナンシャル・タイムズ紙の外交関係論評責任者が解説。取材力を駆使し、軋みを見せる世界、アジアの動きを浮き彫りにする。

著 者:ギデオン・ラックマン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2019年2月
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2019年4月号掲載

平成はなぜ失敗したのか 「失われた30年」の分析

平成を、経済面から振り返った書である。平成の30年間で、世界経済の大きな変化から取り残された日本経済。平成が“失敗の時代”になった原因を、徹底解明する。バブル崩壊、中国の工業化、IT革命など、世界の大変化をたどり、日本の対応を検証。アベノミクスの失敗にも斬り込む。そして、将来に向けて何をすべきかを示す。

著 者:野口悠紀雄 出版社:幻冬舎 発行日:2019年2月
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2019年4月号掲載

日本人の勝算 人口減少×高齢化×資本主義

本書は言う。急激に進む人口減少と高齢化で、2020年以降、日本は深刻なデフレに陥る。量的緩和、ゼロ金利など、常識的な政策は通用せず、三流先進国に成り下がる、と。では、何をすべきか? 日本在住30年、この国を愛する元ゴールドマン・サックスのアナリストが、海外の論文やデータを基に、今必要な“勝算”ある政策を提言。

著 者:デービッド・アトキンソン 出版社:東洋経済新報社 発行日:2019年1月
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2019年4月号掲載

それをお金で買いますか 市場主義の限界

インドの代理母による妊娠代行が6250ドル、米国へ移住する権利が50万ドル。今日、あらゆるものがお金で取引される。市場の論理では、問題ない。だが、何かおかしい ―― 。道徳的な問題をはらむ売買の例を通じ、お金で買うべきではないものについて考える。問いかけるのは、「ハーバード白熱教室」のマイケル・サンデル氏。

著 者:マイケル・サンデル 出版社:早川書房(ハヤカワ文庫) 発行日:2014年11月
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