2019年3月号掲載

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

プロテスタントの宗教倫理と、職業労働や近代資本主義との関連性を考察した、社会科学の古典である。なぜドイツの資本家や経営者にはカトリックではなく、プロテスタントが多かったのか? 人が働く動機とは? 19~20世紀初頭に活躍した、ドイツの社会科学者マックス・ウェーバーの著名な論考を、読みやすい新訳で紹介する。

著 者:マックス・ウェーバー 出版社:日経BP社(日経BPクラシックス) 発行日:2010年1月
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2019年1月号掲載

「10%消費税」が日本経済を破壊する 今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を

消費税率8%から10%へ ―― 。2019年10月に実施が予定される消費増税は、日本経済に“破壊的ダメージ”をもたらす、と著者は言う。なぜか? その証拠を、デフレ不況の引き金を引いた1997年の5%消費増税や、2014年の8%消費増税時のデータを引きつつ示す。そして、日本経済を真に再生させるための道筋を描く。

著 者:藤井 聡 出版社:晶文社 発行日:2018年11月
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2019年1月号掲載

気候カジノ 経済学から見た地球温暖化問題の最適解

今、経済成長が、気候や地球に意図せぬ危険な変化をもたらしている。これを「気候カジノに足を踏み入れつつある」と例える著者が、地球温暖化問題を論じた。温室効果ガスの過剰排出の原因、気候変動に立ち向かうための方策などが、2018年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者の目から、わかりやすく、論理的に説かれる。

著 者:ウィリアム・ノードハウス 出版社:日経BP社 発行日:2015年3月
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2018年12月号掲載

アリエリー教授の「行動経済学」入門 -お金篇-

セール品に目がない、普段はケチなのにカジノでムダ遣いをする、無料の景品に釣られて高いものを買う…。人はなぜ、お金に関して愚かな振る舞いをするのか? 不合理な判断を下しがちな人間心理を、行動経済学者らが多くの失敗エピソードを交え解き明かす。お金を賢く使うための考え方と、行動経済学の基礎が学べる1冊だ。

著 者:ダン・アリエリー、ジェフ・クライスラー 出版社:早川書房 発行日:2018年10月
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2018年11月号掲載

〔エッセンシャル版〕 行動経済学

ノーベル経済学賞の受賞者が続き、近年、注目される「行動経済学」。これは、従来の経済学に心理学、社会学、神経科学などの知見を結びつけ、経済行動を考察する学問だ。人の合理的な意思決定を阻むバイアス、それらを逆用した政策…。本書は、行動経済学のポイントをわかりやすく説く。全体像を知る上で最適な1冊だ。

著 者:ミシェル・バデリー 出版社:早川書房 発行日:2018年9月
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2018年10月号掲載

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

「GAFA」とは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのこと。デジタル時代の四強を、その頭文字をとってこう呼ぶ。彼らは、無限の資金と天才的な人材を武器に、新旧・大小を問わず多くの企業を飲み込んでいる。本書は、GAFAが創り出す世界や共通点を詳述。果たして、彼らは人類を幸せに導くのか、それとも ―― 。

著 者:スコット・ギャロウェイ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2018年8月
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2018年9月号掲載

TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか

ウーバー、エアビーアンドビー…。これら最先端の企業は、テクノロジーを駆使し、人々の信頼を得ることに成功した。現代は、企業ブランドではなく、見知らぬ人の評価が信頼を生み出す時代なのだ。今日の経済や社会を動かす、この「信頼」という要素について、前著『シェア』で共有消費、共有型経済(シェアリングエコノミー)を紹介した著者が考察する。

著 者:レイチェル・ボッツマン 出版社:日経BP社 発行日:2018年7月
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2018年8月号掲載

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明

ハーバード大学のクリステンセン教授著『イノベーションのジレンマ』(邦訳)。この世界的ベストセラーは「理論も実証もゆるゆるだ。経済学的に煮詰める必要がある」。こう評する、イェール大学の気鋭の経済学者が、約10年に及ぶ研究成果を披露。なぜ優良企業が新世代の技術競争に敗れ去るのか、真の理由が解き明かされる。

著 者:伊神 満 出版社:日経BP社 発行日:2018年5月
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2018年7月号掲載

スマート・ジャパンへの提言 日本は限界費用ゼロ社会へ備えよ

世界は今、経済および環境の危機に直面している。GDPの伸びは鈍り、異常気象が各地で観測されている。この危機を脱するため、世界は、そして日本は今後、どのような社会を目指せばよいのか。メルケル独首相や中国指導部のブレーンを務める経済学者が、新しい社会モデル ―― 「限界費用ゼロ社会」についてわかりやすく語る。

著 者:ジェレミー・リフキン、NHK出版(編) 出版社:NHK出版 発行日:2018年4月
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2018年7月号掲載

限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭

「限界費用」とは、モノ・サービスを1つ増やした時にかかる費用のこと。今後、IoT(モノのインターネット)によって効率性・生産性が高まると、限界費用はゼロに近づき、モノやサービスはほぼ無料に。今の資本主義から「共有型経済」へ移行するという。この経済パラダイムの大転換を事例を挙げて説いた、世界的ベストセラー。

著 者:ジェレミー・リフキン 出版社:NHK出版 発行日:2015年10月
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2018年6月号掲載

ダーウィン・エコノミー 自由、競争、公益

アダム・スミスは、自由な市場が全ての人に利益をもたらすとした。だが今日、彼の言う「見えざる手」は機能せず、富の格差は広がるばかり。むしろチャールズ・ダーウィンが説いたように、「個の利益」と「集団の利益」は対立している。本書は、この自然科学者の視点を経済に応用。「自然選択」理論を軸に、自由競争の欠点を明らかにする。

著 者:ロバート・H・フランク 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2018年3月
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2018年6月号掲載

ベーシック・インカム入門 無条件給付の基本所得を考える

「ベーシック・インカム」とは、全ての人に無条件でお金を給付する、新しい社会保障の考え方である。今の所得保障の仕組みを根本的に組み換えるもので、それは、労働・家族関係などに対する国家の関わり方をも変化させる。単にお金の問題にとどまらない、この仕組みの概要、魅力などを、わかりやすく説いた入門書だ。

著 者:山森 亮 出版社:光文社(光文社新書) 発行日:2009年2月
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2018年4月号掲載

世界一シンプルな経済学

書名の通り、著者が示す原則はただ1つ。「経済学とは、政策の短期的影響だけでなく長期的影響を考え、また、1つの集団だけでなくすべての集団への影響を考える学問である」。この原則に従い、公共事業や雇用などにまつわる経済学上の誤りを明快に論じていく。1946年に刊行され、英米圏で今なお読み継がれるロングセラー。

著 者:ヘンリー・ハズリット 出版社:日経BP社(日経BPクラシックス) 発行日:2010年6月
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2018年3月号掲載

ローカリズム宣言 「成長」から「定常」へ

資本主義が行き詰まりを迎えた今、さらなる経済成長を求めても豊かな実りはない。重要なのは、「成長」から「定常」への切り替えだ ―― 。思想家の内田樹氏が、成熟社会を迎えた日本がこれから向かう道筋を考察。その経済モデルとして、手元にある資源を守り、次世代に手渡すことを目標に据えた「定常経済」を提示する。

著 者:内田 樹 出版社:デコ 発行日:2018年1月
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2018年2月号掲載

あなたはアベノミクスで幸せになれるか?

5年を経過した「アベノミクス」。だが、“異次元の緩和”にもかかわらず、デフレを脱却できず、設備投資は低調だ。その最大の理由は、人口減少・高齢化による経済規模の縮小だという。このまま経済構造の改革が遅れ、金融政策に依存した状況が続けば、予期せぬ物価上昇が起こり、国民がツケを払う羽目になると警鐘を鳴らす。

著 者:市川眞一 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2017年11月
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2018年2月号掲載

予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

我々の行動には、「不合理」な点が多くある。例えば、希望額以上の給料を貰っていても、同僚より安いと不満を感じる、といったように。本書は、様々な実験を基に、この人間の不合理性 ―― 規則性があり、予測可能な不合理性を解明する。これを理解すれば、ビジネスなどで大きなチャンスを掴むことも可能だ!

著 者:ダン・アリエリー 出版社:早川書房(ハヤカワ文庫) 発行日:2013年8月
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2017年11月号掲載

元日銀審議委員だから言える 東京五輪後の日本経済

著者は元日本銀行審議委員。白川前総裁と黒田現総裁のもと、日銀が様々な金融政策を実行する場に立ち会ってきた。この、わが国の金融政策の最前線にいた経験をもとに、日本経済の現状、そして今後を語った。2013年に始まる「異次元緩和」の功罪を徹底検証するとともに、2020年の東京五輪後の日本経済のゆくえを見通す。

著 者:白井さゆり 出版社:小学館 発行日:2017年9月
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2017年10月号掲載

中国バブルはなぜつぶれないのか

不動産市場の高騰が続くなど、いまだ弾けない中国バブル。なぜか? 中国人経済学者の著者によれば、バブルの裏には、政府が銀行や企業などに与えている「暗黙の保証」がある。政府の保証があればこそ、人々は安心して投資を続けるというわけだ。本書は、こうした中国経済の仕組みを明らかにし、その潜在的リスクを検証する。

著 者:朱 寧 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2017年7月
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2017年10月号掲載

仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること

AI(人工知能)の発展が著しい。識者の予測では、2035年には仕事の半分以上がAIとロボットに奪われるという。この「仕事消滅」はどのように起きるのか? どんな仕事から消え、人の生活はどうなるのか? 人類にとって重大かつ緊急の問題を、経済学の観点から考察するとともに、AIの時代を生き抜くための処方箋を提示する。

著 者:鈴木貴博 出版社:講談社(講談社+α新書) 発行日:2017年8月
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2017年7月号掲載

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済

「世界全体を豊かにする方法は、グローバリゼーションしかない」。これまで、こうした言説は世界の常識として肯定的に語られてきた。だが近年、米国や英国など先進各国で内向きの動きが目立つ。その背景にあるものとは? 従来の資本主義が限界を迎える中、世界経済が向かう先とは? エコノミストの水野和夫氏が考察する。

著 者:水野和夫 出版社:集英社(集英社新書) 発行日:2017年5月
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