新刊ビジネス書の要約『TOPPOINT(トップポイント)』
最新号に掲載している“一読の価値ある新刊書”10冊の内容をご覧いただけます。
編集部が独自のテーマを設定し、5冊程度の良書を選出して紹介します。
編集部員が思わず読書メモを取った、良書の中の“一節”や“物語”を紹介します。
編集部員が「いま改めてお薦めしたい本」「再読したい名著」をPick Up!
各ジャンルにおける必読の名著10冊を編集部が選定。選書は随時更新します。
1万人以上の定期購読者を対象とした読者アンケートで決定された、半年ごとのベストビジネス書です。
2018年4月号掲載
森友学園への国有地売却、あるいは集団的自衛権の合憲解釈に関する記録など、国の方針に関わる公文書の破棄や隠蔽が相次いでいる。公文書の軽視、秘密の横行は国民の知る権利を傷つけ、ひいては国益を損なう。にもかかわらず情報公開に消極的な政府の姿勢を検証するとともに、公文書管理の重要性をわかりやすく解説する。
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書名の通り、著者が示す原則はただ1つ。「経済学とは、政策の短期的影響だけでなく長期的影響を考え、また、1つの集団だけでなくすべての集団への影響を考える学問である」。この原則に従い、公共事業や雇用などにまつわる経済学上の誤りを明快に論じていく。1946年に刊行され、英米圏で今なお読み継がれるロングセラー。
2018年3月号掲載
かつて日本の社会は格差が小さく、「一億総中流」といわれた。だが今日、非正規労働者が増えるなど、格差の拡大が甚だしい。現代日本は、もはや「格差社会」という生ぬるい言葉で形容すべきものではない。収入や生活様式などの違いにより分け隔てられた「階級社会」だとし、その実態を詳述、格差縮小のための方法を示す。
資本主義が行き詰まりを迎えた今、さらなる経済成長を求めても豊かな実りはない。重要なのは、「成長」から「定常」への切り替えだ ―― 。思想家の内田樹氏が、成熟社会を迎えた日本がこれから向かう道筋を考察。その経済モデルとして、手元にある資源を守り、次世代に手渡すことを目標に据えた「定常経済」を提示する。
2018年2月号掲載
5年を経過した「アベノミクス」。だが、“異次元の緩和”にもかかわらず、デフレを脱却できず、設備投資は低調だ。その最大の理由は、人口減少・高齢化による経済規模の縮小だという。このまま経済構造の改革が遅れ、金融政策に依存した状況が続けば、予期せぬ物価上昇が起こり、国民がツケを払う羽目になると警鐘を鳴らす。
国会での森友学園問題などの論議を機に、国民の関心を集めるようになったのが「忖度」である。本人の意に反し、「上」の意向を忖度して動かざるを得ない者、「下」が勝手に忖度して動いたため、窮地に追い込まれる者…。こうした日本社会の病理ともいえる問題の構造を解明し、“忖度社会”を生き抜くための処方箋を示す。
2018年1月号掲載
人類はいつの日か、我々の知能をはるかに超える人工知能(AI)、「スーパーインテリジェンス(超絶知能)」を生み出す ―― 。それは世界に何をもたらすのか。人は、AIが暴走しないようコントロールできるのか。この“超絶知能”出現の可能性、卓越した能力、世界乗っ取りのシナリオなど、迫り来る危機の本質をあぶり出す。
大方の予想を覆して誕生した、トランプ新政権。それを可能にしたものとは? 神学者の森本あんり氏が、トランプ現象の背景に迫った。アメリカのキリスト教は他の国とどう違うのか、それが社会にどのような影響を与えたのか。かの国に根づいた独自の宗教性を切り口に、ポピュリズムが蔓延するアメリカの現在を読み解く。
安倍政権の「働き方改革」を受け、多くの企業が、従業員の賃上げ、労働生産性向上、長時間労働の是正などの施策に取り組んでいる。だが、改善が進んでいるとは言い難い。どうすれば、働き方は変わるのか? 企業の現場や人材活用に精通する著者たちが、部下全員を輝かせ、幸せにし、成果を出す新しいマネジメントを説く。
日本人は「画一的だ」とよく言われる。例えば、いまだに多くの人が、良い学校を出て良い会社に就職することを目指す。この画一的な行動様式の背景には、何があるのか。山本七平氏が、日本人ならではの“伝統的な人生観”について、わかりやすく説く。人の生き方というものを考える上で、貴重な示唆を与えてくれる1冊だ。
2017年12月号掲載
今、安倍政権が賃金引き上げなどを目標に掲げ、「働き方改革」を進めている。だが、著者によれば、企業に雇われることを前提とした改革には限界がある。重要なのは、多様な働き方ができる社会をつくることだ。本書では、組織に依存せずに働く「フリーランサー」や、技術の進展が働き方にもたらす影響について詳述する。
「ギグ・エコノミー」とは、“ギグ(単発の仕事)”を基盤とした新しい労働・経済形態のこと。近年、米国ではフルタイムの仕事が減り、フリーランスや副業などでギグを行う人が増えているという。本書では、ギグ・エコノミーが拡大している背景や、この新たな働き方で成功を収め、充実した人生を送るための法則を解説する。
高齢者は膨れ上がり、若者世代はそれを支えきれない。あと10年足らずで日本の社会保障は大きな危機を迎える ―― 。野村総合研究所で長年、社会保障の調査に携わってきた著者が、差し迫った社会保障危機について解説。「団塊の世代」「就職氷河期世代」「2025年」をキーワードに、この問題の全体像がわかりやすく示される。
2017年11月号掲載
1990年代以降、中国は大規模な「軍拡」を続けている。今や将兵の数は世界一(約230万人)、戦車や艦艇の数は米軍に匹敵する。その軍拡の狙いとは? 長年、人民解放軍を分析してきた気鋭の中国研究者が、同国が軍拡を本格的に推進する政治的背景、軍拡の諸側面を考察。中国を統治する共産党の「暴力依存」構造を解き明かした。
著者は元日本銀行審議委員。白川前総裁と黒田現総裁のもと、日銀が様々な金融政策を実行する場に立ち会ってきた。この、わが国の金融政策の最前線にいた経験をもとに、日本経済の現状、そして今後を語った。2013年に始まる「異次元緩和」の功罪を徹底検証するとともに、2020年の東京五輪後の日本経済のゆくえを見通す。
インターネットの誕生後、情報の発信・収集が容易になり、生活は便利になった。ネットは良いものを行き渡らせ、平等な世の中をつくるといわれた。だが実際には、既存産業は破壊され、格差は拡大している。こうした問題にどう対処すべきか? ネットと社会の現状、今後のあり方を、シリコンヴァレーの起業家が語る。
2017年10月号掲載
AI(人工知能)の発展が著しい。識者の予測では、2035年には仕事の半分以上がAIとロボットに奪われるという。この「仕事消滅」はどのように起きるのか? どんな仕事から消え、人の生活はどうなるのか? 人類にとって重大かつ緊急の問題を、経済学の観点から考察するとともに、AIの時代を生き抜くための処方箋を提示する。
「インバウンド」とは、外から中へ入り込むこと。一般に、外国人の訪日旅行を意味する。その数は年間2000万人超、2020年には4000万人になるとの予想も。大きな経済効果が期待されるが、問題も数多い。本書は、最多の中国人客に翻弄される、日本のインバウンドの現状を考察。経済効果一辺倒の「おもてなし」に警鐘を鳴らす。
2017年9月号掲載
戦後、日米欧の西側諸国は、開かれた社会、権利の平等などを背景に繁栄を謳歌してきた。だがグローバル化に伴う不平等を背景に、世界中で移民排斥、孤立主義を訴える政党が支持を集めるなど、繁栄をもたらした「西洋の理念」が危機に瀕している。その復活のために、何をすべきなのか。元・英エコノミスト誌編集長が提言する。
明治維新の頃より、わが国の領土はたびたび外国に脅かされてきた。北方四島、竹島、尖閣諸島…。そして今、中国資本による大規模な土地買収が、北海道で「合法的に」行われている。中国の狙いは、何なのか。現地取材をもとに爆買いの実態を報告するとともに、領土に対する日本の意識の希薄さ、無防備ぶりに警鐘を鳴らす。
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