2016年6月号掲載

地政学リスク 歴史をつくり相場と経済を攪乱する震源の正体

クルド人問題、キリスト教とイスラム教の対立、地球温暖化…。こうした地政学上の出来事は、世界経済にどんな影響を及ぼすのか? 多様化する地政学リスクを「宗教対立、民族意識、イデオロギー闘争、民主化運動、環境破壊」の5つに類型化して解説する。グローバルな経済を見る目を養える、世界鳥瞰図といえる書だ。

著 者:倉都康行 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2016年4月
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2016年4月号掲載

日本人が知らない国際情勢の真実

グローバル化するイスラム過激派のテロ、ロシアによるシリアへの軍事介入、中国が強行する南シナ海での大規模な埋め立て工事…。近年、大きく変動し始めた国際情勢。これを、どう読み解くか。報じられるニュースが、今後、世界の行方を左右する重大事象に発展するか否かを見分ける手法 ―― 歴史の大局観の磨き方を語る。

著 者:宮家邦彦 出版社:KADOKAWA 発行日:2016年2月
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2016年4月号掲載

キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理

「互いに愛し合いなさい。これが私の命令である」。キリスト教徒はこうした教えを受けつつも、多くの戦争に関わってきた。なぜ「愛と平和」を祈る一方で、「戦争」を行うことができるのか? キリスト教徒である宗教学者が、聖書の記述を引きつつ、信者が武力行使をいかに正当化するのか、なぜ人は戦争をするのか探究する。

著 者:石川明人 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2016年1月
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2016年3月号掲載

スーパーパワー Gゼロ時代のアメリカの選択

世界は「Gゼロ」の時代へ ―― 。今日、主要先進国が指導力を失い、アメリカも世界の安定に積極的に関わろうとしなくなりつつある。そんな状況を表す、「Gゼロ」という言葉の生みの親、イアン・ブレマー氏が、今後、アメリカが世界で演じるべき役割を考察。同国の抱える国内問題を踏まえつつ、歩むべき道を提言する。

著 者:イアン・ブレマー 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2015年12月
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2016年2月号掲載

私たちはどこまで資本主義に従うのか 市場経済には「第3の柱」が必要である

“経営学の巨匠”が、資本主義の暴走に警鐘を鳴らす。今日の米国では、上位1%の富裕層に富が集中し、大企業は政治献金を通じて、自分たちに有利なように政治を動かしている。こうしたバランスを欠く社会を再生するには、企業、政府の他、NGOや社会事業などから成る「多元セクター」が、社会の柱として必要だという。

著 者:ヘンリー・ミンツバーグ 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2015年12月
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2016年1月号掲載

ジオエコノミクスの世紀 Gゼロ後の日本が生き残る道

ロシアによるクリミア半島編入、南シナ海での領土問題…。争いが絶えない今日の世界を見る時、カギとなるのが「ジオエコノミクス(地政経済学)」である。国が安全保障も加味して経済政策をつくり、それを推進するための戦略理論だ。この、ジオエコノミクスを軸に世界情勢、日本のビジネスリーダーがなすべきことを語る。

著 者:イアン・ブレマー、御立尚資 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2015年10月
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2015年12月号掲載

データで読み解く中国の未来 中国脅威論は本当か

近年、日中関係が思わしくない。嫌中感情が高まっているが、食料問題の研究者として何度も訪中し、同国の実情をよく知る著者は言う。日本の針路を誤らせないためには、中国について「感情に流されず、冷静に分析する必要がある」。本書では、中国政府や国際機関などのデータをもとに、「急速に伸びる輸出」と「膨張政策」の2つの観点から、中国の未来を見通す。

著 者:川島博之 出版社:東洋経済新報社 発行日:2015年10月
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2015年11月号掲載

China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」

中国の指導者の考え方も我々と同じ。中国は民主的で平和的な大国になる ―― 。米国の政治家や外交官は、こんな仮説を信じてきた。だがそれは誤りだったと、対中政策に深く関わってきた著者は言う。実は世界覇権を目指し、着々と手を打っていたのだ。本書では、その戦略、中国共産党革命100周年の2049年までに世界一の強国になるという中国の野望を暴露する。

著 者:マイケル・ピルズベリー 出版社:日経BP社 発行日:2015年9月
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2015年11月号掲載

欧州解体 ドイツ一極支配の恐怖

現在、28カ国が加盟する欧州連合(EU)。創設当初は経済的成功を収めたかに見えたが、今や機能不全に陥りつつある。加盟国の経済成長率の低迷、ギリシャのユーロ離脱の可能性が高まるなど、問題が山積みだ。一体、EUはどこで道を誤ったのか。これからどうなるのか。英国人エコノミストが、EUや統一通貨ユーロの問題点、今後EUが採るべき政策などを示す。

著 者:ロジャー・ブートル 出版社:東洋経済新報社 発行日:2015年9月
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2015年10月号掲載

戦後史の解放Ⅰ 歴史認識とは何か 日露戦争からアジア太平洋戦争まで

かつて日本が行った戦争、植民地支配などの解釈を巡り、日中、日韓の間で対立が深まっている。なぜ、歴史認識の共有は難しいのか。戦前の日本を悪とする歴史書、逆に問題なしとするもの。どちらにも違和感があるという著者が冷静な目で歴史を見つめ直した。歴史学の潮流を追いつつ、歴史を政治や運動の道具とせず、謙虚に史実と向き合うことが大切だと説く。

著 者:細谷雄一 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2015年7月
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2015年8月号掲載

日本が世界地図から消滅しないための戦略 用意周到な大国 用意周到でない日本

人口減少、周辺国家との軋轢、技術革新への対応の遅れ。かつて長期の繁栄を謳歌したカルタゴやベネチアは、こうした課題に対応できず滅亡した。同様の問題を抱える日本も、下手をすれば同じ道を歩みかねない!? 「国家存亡のカギは『用意周到』にあり」。この視点の下、数千年の人類の歴史において、消滅した国家の事例を検証し、そこから学ぶべきことを示す。

著 者:月尾嘉男 出版社:致知出版社 発行日:2015年5月
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2015年7月号掲載

「格差拡大」とイスラム教 2030年、世界の1/3はイスラム教徒に

IS(イスラム国)はじめ、世界各地で凶行を繰り返すイスラム過激派。彼らが欧米文明を憎み、勢力を伸ばした背景には、「富の格差」があるという。こうした視点のもと、サミュエル・ハンチントン『文明の衝突』、トマ・ピケティ『21世紀の資本』などを引きつつ、イスラムについて考察した。宗教に疎い日本の、イスラム圏への関わり方についても提言する。

著 者:保坂俊司 出版社:プレジデント社 発行日:2015年4月
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2015年7月号掲載

2023年の中国 習近平政権後、中国と世界はどうなっているか?

習近平が中国の最高指導者となって2年。中国の官僚・経済人に深いパイプを持ち、10年以上彼を取材してきたジャーナリストが、習政権の構想と戦略の全体像を明らかにした。名目GDPでは、世界一になる日も近い中国。2023年、習近平の政権退任時、同国はどんな国になっているのか、経済政策、国際金融戦略、政治・社会システム等の観点から徹底予測する。

著 者:徐 静波 出版社:作品社 発行日:2015年5月
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2015年7月号掲載

中国人とアメリカ人 自己主張のビジネス術

世界1位と2位の経済大国、米国と中国。今や両国との関係を抜きに、国際舞台で成功するのは難しい。本書では、米中で長く活躍した商社マンが、自己中心的な彼らと伍するための知識を伝授。「集団より『個』を重んじる」「右手で握手をしながら、左手で相手を殴る」等々、謙虚でお人好しな日本人がグローバル人材になるための、米中の“ホント”の数々が満載!

著 者:遠藤 滋 出版社:文藝春秋(文春新書) 発行日:2015年5月
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2015年7月号掲載

文明の衝突

冷戦終結時、これで世界は平和に向かうと思った人は多いのではないか。だが、今も戦火はやまない。異なる文明を背景とするグループの対立が世界各地で続く。こうした現実を見ると、文明同士が衝突する要因を説いた本書の意義は今なお大きい。刊行から十数年。「世界の安全を守るには世界の多文化性を認めなくてはならない」、この言葉を改めて胸に刻みたい。

著 者:サミュエル・ハンチントン 出版社:集英社 発行日:1998年6月
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2015年6月号掲載

原油暴落で変わる世界

2014年半ばから続く、原油価格の急落。日本では、ガソリン代が安くなるなどの理由で、これを歓迎する声もある。だが、今回の原油安は、マイナスの面も。金融危機の他、領有権争い等、政治情勢の面でも深刻な問題が生じかねない。本書では、エネルギー事情に詳しい著者が、地政学の観点から、原油価格暴落の背景、中長期的な世界情勢への影響などを考察する。

著 者:藤 和彦 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2015年3月
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2015年6月号掲載

面と向かっては聞きにくいイスラム教徒への99の大疑問

IS(イスラム国)のテロ事件などで、イスラム教は恐いと思う人もいるかもしれない。しかし、信者の大半は普通の人々。そんな彼らの価値観、生活を、アラブ・イスラム圏研究の第一人者が紹介した。コーランならではの教えとは。なぜ厳しい戒律に縛られる生活ができるのか。「アラブ」と「中東」の違いとは…。イスラム教徒に関する素朴な疑問の数々に答える。

著 者:佐々木良昭 出版社:プレジデント社 発行日:2015年4月
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2015年5月号掲載

「世界の警察官」をやめたアメリカ 国際秩序は誰が担うのか?

「アメリカは世界の警察官ではない」。2013年9月のオバマ大統領の発言により、国際社会における同国の影響力の低下が鮮明になった。中東でのイスラム国の台頭、欧州のウクライナ問題、中国の強引な海洋進出。これら「警察不在」の事態を招いたと言っても過言ではない、大統領の「警察官放棄」発言。その経緯を示すとともに、現在そして今後の世界を読み解く。

著 者:高畑昭男 出版社:ウェッジ 発行日:2015年2月
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2015年4月号掲載

戦争プロパガンダ10の法則

我々は戦争をしたくはない。しかし敵側が一方的に戦争を望んだ ―― 。戦争を始める前、どの国の国家元首もこう言い、自己を正当化する。両次世界大戦の時も、現在のあらゆる紛争においても。世論を巧妙に操る、こうした「戦争プロパガンダ」の基本的な手法について、英国ポンソンビー卿の古典的名著『戦時の噓』の指摘に沿いつつ、具体例を挙げて検証する。

著 者:アンヌ・モレリ 出版社:草思社(草思社文庫) 発行日:2015年2月
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2015年3月号掲載

イスラム国の正体

昨今、イラク・シリアで急速に勢力を伸ばす「イスラム国」。広大な支配地を手に入れた彼らは、テロ集団であるにもかかわらず“国家”を名乗り、人質の首切りなど残虐行為を行う一方、巧妙なPR戦術で世界の若者を惹きつけている。彼らは何者なのか? 他の過激派との違いは何か? 目的は? 資金源は? 元・在シリア特命全権大使が、その実態を解き明かす。

著 者:国枝昌樹 出版社:朝日新聞出版(朝日新書) 発行日:2015年1月
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