2014年12月号掲載

人間集団における 人望の研究

人物評価の最大の条件、「人望」を考察した。著者によれば、人望の要件は「寛にして栗(寛大だが、しまりがある)」など、朱子が『近思録』で説いた9つの徳目。だが戦後、同書は忘れられ、「『徳』とはどのようなもので、どうやったら獲得できるのか、誰にもわからなくなった」。昨今の世情を見ると、この指摘を重く受け止め、しっかり学ぶ必要がありそうだ。

著 者:山本七平 出版社:祥伝社(祥伝社黄金文庫) 発行日:1991年2月
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2014年11月号掲載

じゅうぶん豊かで、貧しい社会  理念なき資本主義の末路

副題「理念なき資本主義の末路」。かつてケインズは、資本主義の明るい未来を説いた。万人の生活水準は何倍も向上し、1日の労働時間は3時間になると。そして今。先進国は豊かな社会を実現したが、労働時間は減らず、所得格差は広がり、人々は競争に明け暮れている。こうした現状を憂えるケインズ研究の大家が、貪欲を煽る今の資本主義へなぜ至ったかを説く。

著 者:ロバート・スキデルスキー、エドワード・スキデルスキー 出版社:筑摩書房 発行日:2014年9月
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2014年10月号掲載

ブラックウォーター 世界最強の傭兵企業

イラク戦争における民間人の虐殺。アルカイダ幹部の暗殺。シリア反体制派への軍事指導…。米国の軍隊にもできない「汚い仕事」を請け負う民間傭兵会社、「ブラックウォーター」。この“影の軍隊”に、調査報道ジャーナリストが迫った。会社が誕生した背景、創業者と米政財界との癒着など、知られざる実態が暴かれる。原著は、『NYタイムズ』の年間ベストセラー。

著 者:ジェレミー・スケイヒル 出版社:作品社 発行日:2014年8月
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2014年10月号掲載

シリコンバレー 最強の仕組み 人も企業も、なぜありえないスピードで成長するのか?

シリコンバレーでは、これまでアップル、フェイスブックなど、ITを武器に世の中の仕組みを変えるような企業が次々に生み出されてきた。当地が、才能あふれる起業家や投資家を惹きつけてやまないのはなぜか? 自身もこの地で3つの企業を創設した著者が、前進を続ける“イノベーションの聖地”の独特の仕組みについて、歴史的・文化的な側面から解き明かす。

著 者:デボラ・ペリー・ピシオーニ 出版社:日経BP社 発行日:2014年7月
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2014年10月号掲載

神道――日本が誇る「仕組み」

「神道」は、日本ならではの宗教だ。仏教やキリスト教、イスラム教などと違い、教祖は存在しない。教典もない。仏教をはじめ様々な外来文化を取り入れ、融通無碍に発展し、日本の歴史を動かしてきた。縄文時代の精霊崇拝を起源とし、他の宗教にはない「仕組み」を有する神道。その成立過程や歴史的背景、本質を、歴史考証の第一人者がわかりやすく解説する。

著 者:武光 誠 出版社:朝日新聞出版(朝日新書) 発行日:2014年8月
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2014年8月号掲載

なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略

グローバル企業とローカル企業を見た時、つい目を奪われるのは、派手な前者だ。だが、日本のGDP(国内総生産)と雇用の7割を占めるのはローカル企業。すなわち、国内各地の市場で勝負するローカル企業こそ、日本経済の切り札となる。本書ではグローバルとローカル、2つの経済圏の実態を解説し、ローカル経済圏を生かす形での、日本経済復活の処方箋を示す。

著 者:冨山和彦 出版社:PHP研究所(PHP新書) 発行日:2014年6月
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2014年8月号掲載

中国の歴史認識はどう作られたのか

1989年の天安門事件の後、中国共産党政権は長くはもたないと見る専門家は多かった。だが、共産党は支持を回復、若者に愛国主義が根付く。日本へは以前より強気に主張するようになった。その背景にあるのが、「歴史的記憶」。過去の出来事自体ではない、中国人による歴史の理解だ。それがどう作られ、利用されてきたかを、中国育ちの在米国際政治学者が論じる。

著 者:ワン・ジョン 出版社:東洋経済新報社 発行日:2014年5月
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2014年6月号掲載

社会保障亡国論

社会保障論を専門とする経済学者が、日本の社会保障財政について論じた書である。現在、わが国の社会保障給付費は110兆円超(GDPの約4分の1)、年間3~4兆円のペースで急増している。財政再建のため消費税率が8%に引き上げられたが、著者いわく、たとえ10%でも「焼け石に水」。社会保障を取り巻く危機的状況を数字で示し、抜本改革の必要性を訴える。

著 者:鈴木 亘 出版社:講談社(講談社現代新書) 発行日:2014年3月
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2014年5月号掲載

第五の権力 Googleには見えている未来

「インターネットは社会を大きく変えてきたが、それは今後10年間に起こる激変の『予兆』でしかない」。こう語るグーグル会長が、外交政策・国家安全保障の専門家とともに、私たちの暮らし、国家、テロなど、世界がどう変わっていくかを論じる。インターネットは善にも悪にもなり得る。技術を生かすも殺すも人間次第、ということを教えてくれる1冊である。

著 者:エリック・シュミット、ジャレッド・コーエン 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2014年2月
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2014年5月号掲載

期待バブル崩壊 かりそめの経済効果が剝落するとき

安倍晋三内閣が「大胆な金融緩和を行う」と宣言した後、円安・株高が加速した。だが、金融緩和措置は実体経済を動かし、日本経済を回復させたのだろうか? 著者の答えは、否。「期待が先行し、そして期待だけで終わってしまった」と断じる。“期待”から、やがて“幻滅”へ。アベノミクスの問題点、そして今の日本経済の実態を、各種データを基に検証する。

著 者:野口悠紀雄 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2014年2月
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2014年5月号掲載

リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」

早ければ2014年春にも工事が始まる、リニア中央新幹線。JR東海が進める、建設費9兆円超の巨大プロジェクトだが、人々の関心は薄く、計画の実態はほとんど知られていない。本書は、このリニア計画を、経済性、技術面、環境面等から徹底検証。超音速機コンコルドなど過去の失敗プロジェクトも引きつつ、計画が抱える問題点を指摘し、リニアの必要性を問う。

著 者:橋山禮治郎 出版社:集英社(集英社新書) 発行日:2014年3月
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2014年4月号掲載

僕たちが親より豊かになるのはもう不可能なのか 各国「若者の絶望」の現場を歩く

2007年の米国での金融危機に端を発した経済的混乱から、世界は立ち直りつつある。とは言え、欧米では若者の失業率が極めて高い。各国政府は雇用問題よりも赤字削減を優先し、彼らをさらに悪い境遇に追い込もうとしている。失業、低賃金、借金…。『ウォール・ストリート・ジャーナル』の若手記者が、大卒でも就職できない“若者の絶望”の実態をレポートする。

著 者:リヴァ・フロイモビッチ 出版社:阪急コミュニケーションズ 発行日:2014年2月
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2014年4月号掲載

10年後躍進する会社 潰れる会社

将来、トヨタ・日産は市場の片隅に追いやられる? シェールガス革命のあおりで、太陽光発電等グリーンエネルギーの開発事業者は消え去る? イノベーションを専門とする経営戦略コンサルタントが、2013年時点で確実に予測できる技術革新を前提に、24年までに各種業界がどう変化するかを解説。企業が生き残る上で直視すべき、厳しい未来シナリオを突きつける。

著 者:鈴木貴博 出版社:KADOKAWA 発行日:2014年1月
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2014年3月号掲載

ビッグの終焉 ラディカル・コネクティビティがもたらす社会の未来

インターネットや携帯端末などがもたらした「ラディカル・コネクティビティ」(革命的なつながりやすさ)が今、政治、ビジネス、文化を一変させている。例えば、ブロガーが大手既成メディアを窮地に追い込んだり、ウェブを使った個人ビジネスが大企業を脅かしたり…。この新しい力が持つ豊かな可能性、そして迫り来る大組織の崩壊という未来社会を描く。

著 者:ニコ・メレ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2014年2月
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2014年3月号掲載

脱ニッポン富国論 「人材フライト」が日本を救う

節税を目的に日本人が資産を海外に持ち出す状況を、著者が『資産フライト』で描いたのは2年前。そして今、マレーシアなど新興アジアへ移住する日本人が急増している。本書は、カネばかりかヒトまでもが日本を出て行く、この「人材フライト」の実態を報告、日本の未来像を模索する。意外にも、日本脱出の動きを非難せず、逆に奨励することが日本を救うという。

著 者:山田 順 出版社:文藝春秋(文春新書) 発行日:2013年12月
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2014年3月号掲載

希望のつくり方

慢性化する長時間労働、あるいは累積する財政赤字…。こうした重苦しい現実を前に、日本にはもう「希望がない」といわれたりする。希望が前提でなくなった今日、人は何を糧に未来へ進めばいいのか。また、そもそも希望とは何なのか。社会のありようと希望の関係について研究を続ける著者が、これまでの研究成果を基に、希望にまつわる疑問を明らかにする。

著 者:玄田有史 出版社:岩波書店(岩波新書) 発行日:2010年10月
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2014年2月号掲載

2020年新聞は生き残れるか

権威に弱く、政府に不都合なことは書かない日本の新聞。2000年から12年にかけ、発行部数は全国で約590万部減少した。片や、情報公開の進む今日、公開データを読解する“データ・ジャーナリズム”がスクープを放ち、存在感を増している。果たして、新聞など既存のメディアの存在意義とは? メディアの現状に、事情に詳しい東京新聞論説副主幹が斬り込む。

著 者:長谷川幸洋 出版社:講談社 発行日:2013年11月
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2014年1月号掲載

なぜ日本は若者に冷酷なのか そして下降移動社会が到来する

今、若者の経済的立場が弱くなっている。子どもの生活レベルが親世代より低下する「下降移動社会」が訪れつつある。こうした社会の変容に対する考察を軸に、ペットの家族化、児童虐待、ゆがんだ年金制度等、今日みられる諸問題に斬り込む。著者は、「パラサイト・シングル」「格差社会」などの言葉を世に浸透させたことで知られる、家族社会学者の山田昌弘氏。

著 者:山田昌弘 出版社:東洋経済新報社 発行日:2013年12月
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2014年1月号掲載

文明が衰亡するとき

「衰亡論は、我々に運命を考えさせる」 ―― 。こう語る著者が、巨大帝国ローマ、通商国家ヴェネツィアなどの国家、文明の興亡を本書で描いたのは、30年余り前のこと。その間、世界第2位の経済大国だった日本は3位に転落し、代わって中国が2位に浮上した。そんな今だからこそ、改めて読みたい。「我々の運命」を考えるために。

著 者:高坂正堯 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2012年5月
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2013年12月号掲載

日中海戦はあるか 拡大する中国の海洋進出と、日本の対応

尖閣諸島の領有権を巡って、日中両国の対立が続く。中国政府の公船、海軍の艦艇が尖閣諸島近海での活動を活発化させているが、果たして軍事衝突につながる恐れはないのか。自衛隊の元海将たちが、中国の現状、海洋進出の戦略、考えられる最悪のシナリオ、日本がとるべき対応などを説く。監修は、自衛隊のトップである統合幕僚会議議長を務めた夏川和也氏。

著 者:夏川和也(監修) 出版社:きずな出版 発行日:2013年10月
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