2017年7月号掲載

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済

「世界全体を豊かにする方法は、グローバリゼーションしかない」。これまで、こうした言説は世界の常識として肯定的に語られてきた。だが近年、米国や英国など先進各国で内向きの動きが目立つ。その背景にあるものとは? 従来の資本主義が限界を迎える中、世界経済が向かう先とは? エコノミストの水野和夫氏が考察する。

著 者:水野和夫 出版社:集英社(集英社新書) 発行日:2017年5月
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2017年4月号掲載

政府の隠れ資産

国民の目から隠されているが、ほとんどの国の政府は莫大な資産を所有している。それは「パブリック・ウェルス」(国有企業、インフラなど政府所有の公共資産)。うまく運用すれば債務削減と経済成長を同時に実現できるが、お粗末な運用だと経済や政治に悪影響を及ぼす。この“隠れ資産”の実態と、望ましいあり方を示す。

著 者:ダグ・デッター、ステファン・フォルスター 出版社:東洋経済新報社 発行日:2017年2月
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2017年4月号掲載

「原因と結果」の経済学 データから真実を見抜く思考法

「メタボ健診を受けていれば長生きできる」。そう言われると、うなずく人は多い。だが、実際は違う。正しいと思うのは、「因果関係」と「相関関係」を混同しているから ―― 。2つのことがらが本当に「原因と結果」の関係なのかどうか。経済学や統計学の最新の知見を背景に、データから真実を見抜く思考法をやさしく解説する。

著 者:中室牧子、津川友介 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2017年2月
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2017年3月号掲載

ザ・トランポノミクス 日本はアメリカ復活の波に乗れるか

トランプ大統領の経済政策構想が実行されれば、世界経済は大きな転換点を迎える可能性がある ―― 。こう指摘し、トランプ政権誕生が示唆するもの、そして米国および世界経済に及ぼす影響を考察。レーガノミクスに似た経済政策「トランポノミクス」の正体を明かす。今後の経済を考える上で、たたき台となる1冊といえよう。

著 者:安達誠司 出版社:朝日新聞出版 発行日:2017年1月
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2017年3月号掲載

ビジネス現場で役立つ 経済を見る眼

経営学者の伊丹敬之氏による、実践的な経済入門書である。なぜ景気は変動するのか、何が経済成長を可能にするのか…。身近な経済現象を理解するために、どんな視点から現実を眺め、考えればよいかを説く。経済はカネの論理が中心になるが、人間の行動や動機を考えることもまた大切と、人間臭い「経済を見る眼」が示される。

著 者:伊丹敬之 出版社:東洋経済新報社 発行日:2017年1月
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2017年2月号掲載

最後の資本主義

米国はじめ先進諸国で、貧富の差が拡大している。クリントン政権で労働長官を務めた著者によれば、原因は「市場のルール」の作り方にある。すなわち、富裕層や大企業が政府へのロビー活動等を通じて、自分たちが儲かる仕組みを築いているのだ。これを、より良く公平なものとすべく、市場メカニズムの現状にメスを入れた。

著 者:ロバート・B・ライシュ 出版社:東洋経済新報社 発行日:2016年12月
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2017年2月号掲載

デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論 潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋

1990年代に「失われた20年」に突入後、経済が低迷する日本。教育水準、労働者の質は高いにもかかわらず、生産性は先進国最下位(世界第27位)だ。なぜなのか。各種データをもとに長期低迷の「原因」を特定し、日本復活の「秘策」を示す。元ゴールドマン・サックス金融調査室長の著者ゆえ、数字に基づく論は説得力がある。

著 者:デービッド・アトキンソン 出版社:東洋経済新報社 発行日:2016年12月
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2017年2月号掲載

2040年全ビジネスモデル消滅

現在、質より量のマクドナルドの業績は低迷し、お金はかかるが楽しいディズニーランドは隆盛を極めている。本書は、両社の盛衰を軸に、日本社会の価値観、不動産等々のビジネスモデルの変遷を読み解くもの。著者いわく、ディズニーランド型ビジネスモデルもいずれ行き詰まり、2040年頃、日本は恐るべき現実に直面する!

著 者:牧野知弘 出版社:文藝春秋(文春新書) 発行日:2016年12月
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2017年2月号掲載

「ココロ」の経済学 行動経済学から読み解く人間のふしぎ

経済学では、人は「合理的な存在」とされる。だが、実際はそうではない。健康に良くないとわかっていてもタバコやお酒が止められない、そういう“ココロ”の弱さを誰もが持っている。本書は、こうした感情的な側面を重視する「行動経済学」の視点から、人の判断がどんなメカニズムで生み出されるのか、解き明かしていく。

著 者:依田高典 出版社:筑摩書房(ちくま新書) 発行日:2016年12月
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2017年1月号掲載

世界経済 危険な明日

成長か、崩壊か ―― 。世界で最も影響力のあるエコノミストの1人、モハメド・エラリアン氏が、世界経済が直面している危機の実相を描き出す。新たな成長と金融の安定への道と、景気後退と市場混乱への道。この“T字路”に私たちはまもなくぶつかるとし、それに備えよ、と説く。ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー!

著 者:モハメド・エラリアン 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2016年10月
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2017年1月号掲載

預金封鎖に備えよ マイナス金利の先にある危機

日本では終戦直後、政府の巨額債務を減らすため、「預金封鎖」をはじめ、国民の資産を強引に奪う政策が行われた。金融政策が行き詰まり、消費税増税が延期され、財政破綻が現実味を帯びる今、再び、自分の預金が下ろせないという事態に陥りかねない!? 元財務官僚の経済学者が、日本の財政問題の最悪のシナリオを予測する。

著 者:小黒一正 出版社:朝日新聞出版 発行日:2016年10月
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2016年12月号掲載

第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来

世界中のエリートが、国際的な課題を話し合うダボス会議。2016年、重大テーマとして選ばれたのは、最近話題の「第四次産業革命」だ。IoTやAI(人工知能)、ナノテクノロジー等々のブレイクスルーが融合する、新しい技術革命がもたらす未来とは。人類の生活を根本から変えるメガトレンドの全体像を、ダボス会議創設者が語る。

著 者:クラウス・シュワブ 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2016年10月
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2016年11月号掲載

人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長

少子化に伴う人口減少で、日本経済の衰退は避けられない ―― 。こうした悲観論を一蹴する。先進国の経済成長のカギは、人の数ではなく、イノベーション。世界有数の長寿国であるわが国には、多くのチャンスがあると指摘。人口を経済学の視点から捉え直し、財政危機や人工知能の発達等々、日本経済の本当の課題に斬り込む。

著 者:吉川 洋 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2016年8月
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2016年7月号掲載

逆オイルショック バブル連鎖経済の終焉が日本経済を襲う

1970年代のオイルショックと真逆の現象が、今起きている。「逆オイルショック」、原油価格の急落だ。原油価格の下落は、輸入国にはプラスの面もある。だが、世界の株式・為替市場の不安定化を招くなど、リーマンショック以上の衝撃を世界経済に与えかねない。こう述べる著者が、“世界経済における一大事”の実態を解説する。

著 者:真壁昭夫 出版社:祥伝社 発行日:2016年5月
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2016年7月号掲載

あれか、これか 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門

「こっちの方が、価格が安いからお得だ」「あっちの方が高いから、価値も高いに違いない」。買い物や取引の際、人は価格で損得を判断しがちだ。しかし、何かを選ぶ時、大切なのは「本当の値打ち」を見抜くことだと指摘。お金のまやかしを見破り、正しい選択をするためのファイナンス理論の考え方を、具体例を交え易しく説く。

著 者:野口真人 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2016年4月
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2016年7月号掲載

新しい幸福論

この30年弱で、日本の貧困率は12%から16.1%に。国民の所得の格差は拡大している。こうした中、どうすれば幸福に生きられるのか。格差研究の第一人者が、経済学および哲学、社会学などの観点から考察した。貧困を生む社会的背景、格差是正の現状などが述べられるとともに、心豊かな人生を送るためのヒントが示される。

著 者:橘木俊詔 出版社:岩波書店(岩波新書) 発行日:2016年5月
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2016年6月号掲載

Who Gets What マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

世の中、自分が選ぶだけでなく、自分も選ばれる必要がある。例えば、就職先や進学する大学、結婚の相手もそうだ。このような、お互いの「選択」が必要な場で、どうすれば最適・効率的な「マッチング」(組み合わせ)が実現できるのか? 様々なマッチングをうまく機能させる方法を、ノーベル経済学賞受賞者が説く。

著 者:アルビン・E・ロス 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2016年3月
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2016年6月号掲載

ヤバすぎる経済学 常識の箱から抜け出す最強ロジック

身の回りのこと、あるいは社会、経済の問題と、様々な事象にユニークな視点で斬り込み、好評を博す『ヤバい経済学』シリーズ。最新版の本作も、まさに言いたい放題。効果的なテロの起こし方、筋の通らないフライドチキンの値段の付け方等々、刺激的な話が満載だ。“ヤバい経済学”の色眼鏡で見れば、違う世界が見えてくる!

著 者:スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー 出版社:東洋経済新報社 発行日:2016年4月
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2016年3月号掲載

牛肉資本主義 牛丼が食べられなくなる日

副題は「牛丼が食べられなくなる日」。そんな事態が、私たちの知らない間に進んでいる。犯人は、利益のためなら何でもやる「マネー資本主義」。リーマンショック後、次の餌食を牛肉に定めたグローバルマネーが、世界中で牛肉争奪戦を繰り広げているのだ。こうした「強欲化する世界」に、『里山資本主義』の著者が斬り込んだ。

著 者:井上恭介 出版社:プレジデント社 発行日:2015年12月
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2016年2月号掲載

「超」情報革命が日本経済再生の切り札になる

人工知能、ビッグデータ、IoT…。最新のIT技術を活用した、新しいサービスや市場が生まれている。だが日本は、その重大さを認識していない。このままでは、IT技術で成長を続ける米国と日本との差は広がるばかり。こう警告し、日本経済が生き残るには、規制緩和によって最新技術の成果を取り入れることが不可欠、と説く。

著 者:野口悠紀雄 出版社:ダイヤモンド社 発行日:2015年11月
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