2013年4月号掲載

医療幻想 「思い込み」が患者を殺す

抗がん剤はがんを治す薬ではなく、命を延ばすためのもの。点滴は血液を薄めるだけで、有害なことが少なくない。がん検診に熱心なのは日本だけ…。日本医療の驚くべき実態に、作家としても活躍する医師が切り込んだ。医療業界、製薬業界、厚労省、マスメディア等々が、自らの利益のために生み出した医療を巡る「幻想」を晒し、望ましい医療のあり方を問う。

著 者:久坂部 羊 出版社:筑摩書房(ちくま新書) 発行日:2013年2月
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2013年3月号掲載

大中華圏 ネットワーク型世界観から中国の本質に迫る

中国と香港、台湾、シンガポール等の華僑・華人圏からなるのが、「大中華圏」である。著者によれば、近年、このネットワークは経済的な関係を深めている他、尖閣問題で見られた通り、政治的な意味も持ち始めたという。こうした大中華圏の現状を、本書は解説する。中国=中華人民共和国と見がちな我々に、中国の本質に迫る上で新たな視座を与えてくれる1冊だ。

著 者:寺島実郎 出版社:NHK出版 発行日:2012年12月
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2013年3月号掲載

2052 今後40年のグローバル予測

地球の物理的限界に人類はどう適応すべきかを問い、世界的なベストセラーとなった『成長の限界』。同書出版から40年たった今、著者の1人、ヨルゲン・ランダース氏が、今後40年の世界を展望した。この先、人口はどうなるのか、食料とエネルギーは足りるのか、資本主義の行方は…。過去40年に起きたことを基に、「最も実現確率の高い未来」を予測する。

著 者:ヨルゲン・ランダース 出版社:日経BP社 発行日:2013年1月
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2013年3月号掲載

クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道

世界には、スイスやシンガポールなど小国でありながらも、世界中から優れた人材や企業を集め、高い国際競争力を誇る豊かな国々がある。著者の大前研一氏は、そのような国を「クオリティ国家」と命名、これこそが、日本が再び繁栄するための最強の国家モデルだという。本書では、クオリティ国家の実例を詳細に紹介し、日本が今後進むべき道を具体的に示す。

著 者:大前研一 出版社:小学館 発行日:2013年1月
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2013年3月号掲載

日本は赤字国家に転落するか

産業の空洞化など、構造的な問題を抱える日本経済。このままだと、経常黒字から経常赤字、供給過剰から供給不足への転換の下で、円高から円安、デフレからインフレ、金利上昇という大転換が起こる ―― 。外資系証券会社勤務のエコノミストが、近未来の日本経済を見通し、問題を解決しないと、遠からず“一流の経済大国”の座から陥落する、と警鐘を鳴らす。

著 者:白川浩道 出版社:日本経済新聞出版社 発行日:2012年12月
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2013年1月号掲載

鎖国シンドローム 「内向き」日本だから生きのびる

政治も経済も停滞し、閉塞感が漂う今の日本。若者の内向き志向も、最近、話題になっている。だが、「内向き」志向も悪くない、というのが著者の考えだ。日本は江戸時代をはじめ、歴史的に「鎖国」と「開国」を繰り返し発展してきた。成長から成熟へ。世界経済が不安定な今こそ鎖国モード、すなわち内向き志向の利点、成熟国家・日本の良さを見直そうと訴える。

著 者:榊原英資 出版社:集英社 発行日:2012年10月
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2013年1月号掲載

男性不況 「男の職場」崩壊が日本を変える

「男性不況」とは、米国生まれの言葉で、男性の失業率が女性を上回り、かつその差が拡大する、不況下の状況を表す。著者は、日本でも男性不況が着々と拡大しており、少子高齢化や格差の拡大、消費の低迷など、様々な問題の原因になっていると指摘。なぜ、こうした不況が起きたのかを解き明かすとともに、男性不況の結果、日本に何が起きているのかを見極める。

著 者:永濱利廣 出版社:東洋経済新報社 発行日:2012年11月
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2012年12月号掲載

迫りくる日中冷戦の時代 日本は大義の旗を掲げよ

今、日中関係は尖閣事件を機に、緊張が高まっている。そして、中国の膨張戦略に対し、米国も新国防戦略で「中国の膨張の抑止」を掲げた。著者は、こうした状況を「新たな冷戦」の始まりと見る。その主役、中国と、日本はいかに対峙してきたか、今後どう対応すべきか。中国に根強く残る宗主国意識など、歴史的な考察も踏まえ、「日中冷戦の時代」を読み解く。

著 者:中西輝政 出版社:PHP研究所(PHP新書) 発行日:2012年10月
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2012年11月号掲載

信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学

長年、「アパルトヘイト」(人種隔離政策)と戦い、南アフリカ共和国の大統領を務めたネルソン・マンデラ氏の行動哲学をまとめたもの。「背後から指揮をとれ」「原理原則と戦術を区別せよ」「『負けて勝つ』勇気を持て」…。氏と3年間寝食を共にしたジャーナリストが、過酷な状況に耐え、自らの志を実現した稀有のリーダーの生き方、考え方を浮き彫りにする。

著 者:リチャード・ステンゲル 出版社:英治出版 発行日:2012年9月
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2012年11月号掲載

武士道

1900年に米国で刊行され、世界的ベストセラーとなった新渡戸稲造著『武士道』の現代語訳。武士道の源流から、サムライの教育、切腹の制度、そして武士道の未来まで。新渡戸が海外の人に向けて説いた内容を、可能な限りわかりやすい言葉で紹介する。武士道は決してひからびた“歴史遺産”ではない、と述べられているように、その精神に学ぶべきことは多い。

著 者:新渡戸稲造 出版社:致知出版社 発行日:2012年9月
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2012年9月号掲載

スクリューフレーション・ショック 日本から中流家庭が消える日

「スクリューフレーション」とは、スクリューイング(中流層の貧困化)とインフレーションを掛け合わせた造語で、中流層の貧困化とインフレが同時に起きること。企業の業績は伸びても給料は上がらず、一方で食料品やガソリン等の生活必需品が値上がりして生活は苦しくなる…。米国で発生し、日本でも起きつつある新たな経済現象に、気鋭のエコノミストが迫る。

著 者:永濱利廣 出版社:朝日新聞出版 発行日:2012年7月
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2012年9月号掲載

30代が覇権を握る! 日本経済

少子高齢化が進む今の日本では、若い世代が年金や医療費の負担増に苦しんでいる。一方、高齢者は自分の資産を取り崩すことなく、年金で優雅に暮らす。この“世代間収奪”の問題に、今のままでは日本経済の活力が完全に失われる、と危惧する著者が斬り込んだ。裕福な高齢者は自力で生き抜く。その前提の下、年金、税制、働き方等に及ぶ大胆な改革案を示す。

著 者:冨山和彦 出版社:PHP研究所(PHPビジネス新書) 発行日:2012年7月
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2012年8月号掲載

ヘッジファンドマネージャーが説く次なる大難 2015年の食料危機

穀物市場に長年関わってきたヘッジファンドマネージャーが、その経験を基に「日本の食の危機」を予見した、警告の書である。世界的な人口増加による穀物需要の増加、穀物市場への投資マネーの流入、あるいは日本の債務問題が招く急激な円安などにより、食料価格が暴騰し、食の安全が脅かされる ―― 。そんな危機のシナリオが明らかにされる。

著 者:齋藤利男 出版社:東洋経済新報社 発行日:2012年6月
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2012年8月号掲載

政権交代はなぜダメだったのか 甦る構造改革

震災復興、郵政民営化、財政赤字に歯止めをかける社会保険制度の改革…。これら日本が抱える重要課題に対する、民主党政権の取り組みを検証した。2009年、国民の期待を集めて政権交代を果たしたものの、思うような成果を上げられない民主党政権。彼らの行ったこと、そして、行わなかったことを明らかにし、我々が向き合うべき課題を改めて浮き彫りにする。

著 者:田中直毅、国際公共政策研究センター 出版社:東洋経済新報社 発行日:2012年6月
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2012年8月号掲載

リスク、不確実性、そして想定外

我々は日々の暮らしの中で、災害や事故、電車の遅れなど様々なリスクに直面する。会社にしてもそう。情報漏洩や不祥事の発生等々のリスクを常に抱えている。本書は、こうしたリスクとともに生きるための材料や考え方を提供するものである。歴史の事象から最近の事件・事故まで、豊富な事例を交え、リスクとは何か、それをどう管理すべきかを平易に説明する。

著 者:植村修一 出版社:日本経済新聞出版社(日経プレミアシリーズ) 発行日:2012年6月
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2012年6月号掲載

「すみません」の国

悪いと思っていないのに「すみません」とすぐ謝る。自分の意見を明確に言わない ―― 。ホンネが見えにくい日本的コミュニケーションは実にややこしい。本書は、自己の主張より相手との関係、調和を重視する日本の社会を「状況依存社会」と特徴づけ、それを軸に日本独自のコミュニケーションの深層構造を解剖。“曖昧さ”に潜む重大な意味を明らかにする。

著 者:榎本博明 出版社:日本経済新聞出版社(日経プレミアシリーズ) 発行日:2012年4月
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2012年5月号掲載

震災復興 欺瞞の構図

東日本大震災からの復興には巨額の費用がかかるから、増税もやむなし。多くの人はそう考えている。だが実は、政府のいう19~23兆円もの巨額の復興費は不要! こう喝破するエコノミストが、震災復興のあり方を問う。様々なデータに基づき、巨額の復興費に見え隠れする政治家や官僚の思惑を暴き出すとともに、住民に役立つ安上がりで効果的な復興策を提言する。

著 者:原田 泰 出版社:新潮社(新潮新書) 発行日:2012年3月
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2012年5月号掲載

理系のトップはなぜダメなのか

メーカーで15年余の技術者生活を送った後、営業部長に ―― 。文系の世界で苦労した理系出身の著者が、自らの経験から手に取るようにわかるという、「理系リーダー」の欠陥をズバリ指摘。ロジックにこだわる、目標を甘く見る…。理系出身の鳩山由紀夫、菅直人両元総理を例に、理系思考のリーダーが陥りがちなミスジャッジやミスリードの原因を解き明かす。

著 者:諒 純也 出版社:阪急コミュニケーションズ 発行日:2012年3月
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2012年4月号掲載

教科書やニュースではわからない 最もリアルなアメリカ入門

唯一の超大国として世界を仕切るアメリカ。日本に対しては、通商問題での要求をエスカレートさせている。しかし、元キャリア外交官の著者によれば、強気に振る舞う同国も、実は様々な要素の中で揺れ動いている。そんな「本当のアメリカ」を、歴史的な側面をはじめ様々な角度から解明するとともに、この国がひそかに描く、日本にとって驚愕のシナリオを明かす。

著 者:原田武夫 出版社:かんき出版 発行日:2012年1月
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2012年3月号掲載

官邸から見た原発事故の真実 これから始まる真の危機

原子力の専門家であり、内閣官房参与として福島原発事故の対策に取り組んだ田坂広志氏が、この事故を機に、今後浮上してくる諸問題を指摘した。原子力発電所の安全性への疑問、放射性廃棄物の最終処分への疑問、原子力発電のコストへの疑問…。失墜した原子力行政の信頼を回復するため、政府が答えるべき問題を「国民の7つの疑問」として提示する。

著 者:田坂広志 出版社:光文社(光文社新書) 発行日:2012年1月
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